芸能界に広く浸透してきている「ルッキズム」への配慮。ルッキズムとは、外見だけで人を差別する考え方のことだ。ひところ盛んだった女芸人への「ブサイク」イジリもめっきり少なくなった。その流れに乗るかのように、女芸人の美意識はますます高まっているようだ。
「先日、都内でとある新商品の発表会に出席した3時のヒロイン・ゆめっちが『鼻をアップデートした』と報告しました。その際、『松本若菜さんにしてください』とオーダーしたことを告白しています。9月18日放送の『これ余談なんですけど…』(ABC)では、オダウエダ・小田結希が鼻にヒアルロン酸を入れたことを明かしたり、ぼる塾・きりやはるかが、トータル30万円をかけて二重整形とホクロ除去をしたことをカミングアウトしていますね」(放送作家)
美しくありたいという思いは、時にコンビ解散の糸口になることもある。
「2021年、実力派漫才コンビのアジアンが解散しました。その一因には、隅田美保がブスいじりをされたくないという思いがあったようです。今年3月で解散したお笑いコンビ・尼神インターも同様ですね。解散を切り出したのはツッコミの渚(現・ナ酒渚)ですが、相方の誠子がダイエットで体重を20キロ落とすなど、美容に没頭していました。それに対し、お笑いに熱心な渚は方向性のズレを感じていたようです」(お笑い関係者)
そんな中、容姿をイジられることを許容しているのが、ぼる塾・あんりだ。
先の「これ余談なんですけど…」で、きりやはるかの整形の話題が出た後、司会のかまいたち・山内健司があんりに「なんであんりはまだしてないの?」と、デリカシーのない質問を発した。これにあんりが「いや、する必要ねえだろ。満足してんだから。毎日楽しくてしょうがねえよ」と返答。濱家隆一が、昨今のコンプライアンス重視で、こうしたやり取りは笑えない空気があると指摘すると、彼女は「笑ってくれよ、せめて。お前らがキャスティングしたんだろ」と求めている。
かわいくなりたい、キレイと言われたい、という幸せを追求するか、笑いに徹するかは人それぞれだが、覚悟の上で受け入れるあんりは、貴重な存在といえるだろう。
(魚住新司)