ポストシーズンに突入したメジャーリーグにおいて、大谷翔平の話題は常にトップニュース扱い。その一挙手一投足が話題になる状況だ。
そこに「異論」をブチ込んだアスリートがいる。10月14日にボクシングWBOアジアパシフィックバンタム級王座決定戦を控える「格闘技界の風雲児」那須川天心だ。夜のニュース番組「news zero」(日本テレビ系)に出演して試合への抱負などを軽快に語ると、その後、当然のように大谷情報へ。アナウンサーが「大谷選手のすごさ、どう思われますか」と那須川に聞くと、野球のことはよくわからないと切り出し、テレビをつければ常に大谷が映っている状況を皮肉る形で「みんな飽きないの?」とコメントしたのだ。
と同時に「50-50」の偉業については、ボクシングの世界でフィフティフィフティは引き分けなので、なぜその数字が凄いのかわからなかった、とも。最後には「これだけ話題になるのだから(大谷は)凄いのだろう」とまとめていたが…。テレビ関係者がこれに頷きながら言う。
「一時期には『大谷ハラスメント』という言葉が聞かれましたが、那須川と同じく野球に詳しくない、あるいは興味がない人は相当数いるわけです。ところが今回の『news zero』のように、誰もが大谷を称賛してくれると勘違いしているメディアがありますね。この風潮への抵抗感を正直に吐露した那須川に同感する人は、意外なほどに多かったといいます」
大谷フィーバーは、大谷が意図して作ったわけではない。那須川は10月14日にぜひ初タイトルを獲得し、大谷を凌駕するような世界的ボクサーへと飛躍してほしい。
(高木莉子)