リニューアルした報道番組「news zero」(日本テレビ系)のコメンテーター陣のキャスティングに、懐疑的な声が上がっている。4月から女優の波瑠が火曜日に、俳優の板垣李光人が水曜日に、女優のシシド・カフカが木曜日に出演して、ニュースについてコメントする。テレビ制作スタッフが眉をひそめる。
「ニュース番組のワイドショー化が進んでいますね。局側は知識の浅いタレントに、若者に迎合するようなコメントを出す役割を求めていますが、番組の質や格が落ちるのは確実。芸能や社会だけでなく、政治や経済の出来事まで芸能人にコメントさせてどうするのでしょうか。プライドを持って日々の取材にあたっている局員からは、不満が出ています」
芸能人にとっても視聴者から「偉そうにコメントするな」という感想を持たれることは不可避。誰も得しないのではないか。
令和の現代において10代から20代のテレビ視聴時間は、1日平均1時間30分程度。50代から60代では4時間程だ。逆にスマホ接触時間は前者が4時間、後者は1時間30分といわれている。
「どうしても若者の視聴率を上げたい、という意識が働いたのでしょう。タレントコメンテーターのキャスティングにあたっては、若年層をターゲットにして選んだようです。ただ『news zero』が放送される時間帯の主要視聴者層は、サラリーマン。これでは逆に、主要視聴者が離れてしまいかねない。マーケティングのミスですよ」(前出・テレビ制作スタッフ)
タレントコメンテーターよりも、説得力のある知識人を呼んではどうだろうか。
(佐藤恵)