日本シリーズが終わってしばらくすれば、11月9日には野球の国際大会「第3回WBSCプレミア12」が始まる。第2回大会を制し、連覇を目指す侍ジャパンの前に立ちはだかるのは、第1回大会の覇者、韓国かもしれない。
昨年3月に行われた「第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」では、1次ラウンドで14年ぶりに日韓戦が実現。13-4で日本が勝利を飾り、「宿敵」に格の違いを見せつけた。
今シーズンの韓国プロ野球は空前のブームで、1982年のリーグ発足以降、初めて観客動員数が1000万人を突破した。これまでの最高記録840万人(2017年)を大幅に更新している。
「各球団でファン獲得合戦が繰り広げられ、トレーニング風景や試合後のロッカールーム、人気選手のライフスタイルなどをSNSで紹介。それもあって新規の女性ファンが激増し、スタジアムに足を運ぶようになったんです」(スポーツライター)
韓国プロ野球の名物として知られるチアリーダーの応援も加わった最高の雰囲気に、選手のやる気は俄然アップ。例年以上にポストシーズン進出争いが終盤戦まで盛り上がり、ハイレベルの攻防が繰り広げられた。
「注目度が高まったことで、選手のレベルが上がっています。韓国人初の『40本塁打40盗塁』に惜しくも届かなかったKIAのキム・ドヨンなど、ニュースターが次々と誕生しました。そもそもリュ・ジュンイル監督が率いるチームコリアは、今大会を見据えて若手選手を中心に構成。今年3月に行われた『MLBソウルシリーズ2024』 のパドレス戦には0-1で敗れましたが、メジャーの強豪相手に1点差の接戦を演じたことで、日本代表相手でも十分に戦える手応えを感じています」(前出・スポーツライター)
韓国プロ野球は今季から、ピッチクロックやAIによる自動投球判定システム(ロボット審判)を導入して改革に前向きな姿勢を見せる一方、10月7日には「アジア人枠」の導入を見送る報道が流あった。球界関係者が言う。
「各球団の外国人枠は3人までですが、アジア枠でプラス1人の外国人選手を起用すれば、チームの戦力は上がります。しかしその分、韓国人選手のチャンスを潰すことになるため、導入しないことを決めたのでしょう」
「打倒・日本」に向けて本気モードの韓国と、井端弘和監督率いる侍ジャパンは、11月15日に台北ドームで激突する。これまでの2大会では日本が3勝1敗と韓国に勝ち越しているだけに、今大会も圧倒的な強さを見せつけ、連覇を成し遂げてほしい。
(海原牧人)