最終盤までCS出場争いを演じながら勝負どころでは勝てず、3年連続で4位に終わった楽天の身売り説が再燃している。スポーツ紙遊軍記者が、現状を明かす。
「楽天は就任1年目にしてチームを初の交流戦優勝に導いた今江敏晃監督を電撃解任。強いチームを作るために外部から新たな監督を招聘するならまだ分かりますが、2020年に指揮を執った三木肇2軍監督の再登板となりました。わずか1年でクビになった監督はこれで6人目。こんなに1年で監督がコロコロ代わる球団は珍しい。親会社がいつ手放してもいいように考えている、としか思えませんね」
昨オフも楽天グループが球団の売却方針を固め、三木谷浩史オーナーがトップセールスを展開している、とのウワサが球界を駆け巡った。地元宮城のマスコミ関係者も、
「売却額が300億円以上ということで正式合意には至りませんでしたが、興味を示している企業は何社かあるようです」
楽天グループは「楽天市場」の電子商取引事業や「楽天カード」などの金融事業は好調だが、モバイル事業がこれらの利益を吹き飛ばしているという。
楽天の場合、経営難の近鉄が2004年にプロ野球から撤退したため、新規参入した経緯があり、買収額は0円といわれている。前出の遊軍記者は、
「タダ同然で手に入れた球団。これが100億円や200億円になれば、濡れ手で粟ですよ。ビジネスライクに考えれば、売却は何の不思議もないですね」
現在のプロ野球は12球団の大半が黒字経営とあって、売却先には困らない。三木谷氏と縁が深い藤田晋氏が社長を務めるサイバーエージェントなどが候補に挙がっている、との情報がある。今回の監督交代劇で、身売りにまた一歩前進するのだろう。
(阿部勝彦)