「20年経って、やってることが1年目とあんまり変わらない。そういうのを見た時にですね、これは過激かもしれませんけど、親会社が変わってくれないかなって、そういう気持ちになってしまいますね」
自身のYouTubeチャンネル〈田尾安志【TAO CHANNEL】公式YouTube〉でこうブチまけ、なんとも怒りが収まらないのは、野球解説者の田尾安志氏である。
怒りの矛先が向けられたのは、楽天の三木谷浩史オーナー。楽天は今季、交流戦で初優勝するも、最終的に4位に終わると、2年契約の1年目だった今江敏晃監督を電撃解任した。
田尾氏は2005年、楽天の初代監督に就任。38勝97敗1分というさんざんな成績(最下位)により、3年契約ながら1年でクビを切られている。
「多分、これから先もシステムはあまり変わらないと思います。フロントがいろいろ言っても、最終的にオーナーのひと言で決まってしまう。そういう組織だと、20年でハッキリ見えてきました」
田尾氏はそう言って冷静に、かつ怒気を込めて三木谷オーナーのやり方を糾弾するのだ。続けて、
「20年経って思うのは、野球人に対する接し方、これも薄っぺらいなと、いろんなところで感じてしまうんですよね。金持ちがエラいとは、僕はまったく思ってません。お金持ちの中にも大したことがない人はいっぱいいます。逆に言うと、お金を持ってなくても凄い人はいっぱいいます。お金だけで判断してしまうと間違った方向にいきますので、お金は必要ですけれども、それに左右されてないでやっていくっていうのも大事なポイントかなって思います」
楽天は創設20年で10人の監督が就任し、うち6人がたった1年でポイ捨てされている。パ・リーグ、そして他チームの過去20年を振り返っても、監督が1年で即解任されたチームは、仰木彬氏が体調不良で退任するなどしたオリックス以外には見当たらない。
こうした体質の楽天が強くなるのか、ファンはただ黙って見ているのか、大きな疑問が残るのである。
(所ひで/ユーチューブライター)