デートで訪れた飲食店の会計をスマートに支払う。いつの世も、これは男にとって鉄則だ。女性が知らないうちに「実はすでに会計を済ませてますよ」と、自らのスマートさを演出したい男は少なくない。
そんな層にはウケそうな斬新なアイデアを、モデルで歌手の鈴木愛理が提案している。
それは交際女性とのデート費用問題についてのトークが展開された「あざとくて何が悪いの?」(テレビ朝日系)でのこと。ゲストのTravis Japan松田元太と七五三掛龍也は、デート代は奢ってあげたい派だといい、七五三掛は女性が見ていないところで実はお会計を済ませているという、前述したパターンを理想としていた。
バレないように会計を済ませる方法として、女性がお手洗いに行くタイミングだったり、自身がトイレに行くフリをして実はレジに行く、といった方法を七五三掛は挙げた。これを聞いた天然キャラの松田は「トイレでお会計するってこと?」とおバカ解釈で笑いをとったのだが、なんとここで「確かに!」と頷いたのが鈴木だった。鈴木は松田の発言からひらめいたようで、
「男性トイレに会計機を置いたら、めっちゃイイかもね」
当然、男性トイレ内に会計機があれば、女性に支払いの瞬間を目撃されることはまずない。デート代をスマートに払いたい派の松田と七五三掛は鈴木の提案を称賛していたが、MCの山里亮太だけは「絶対によくないよ」と強めに反論。その理由をエンタメ誌ライターが説明する。
「ここ最近、デートでのおごりおごられ論争が話題になっています。もしも男性トイレに会計機が置かれた場合、男性側が奢って当然という風潮をより強めることになる。山里はそれをたしなめたのでしょう」
もしトイレで会計をしなければ「ケチ認定されるだけ」「その場でフラれそう」と考える男はいるだろう。
山里が「男が奢って当たり前」の考え方に嫌悪感を示す理由は他にもある。
ブレイクする前の若手時代、山里は麒麟の田村裕やネゴシックスらとともに、一般女性と合コンをしたことがあった。女性側は男性陣のメンツの弱さにガッカリし、まるで合コンを盛り上げようとせず、ひたすら料理を食べるのに集中。山里たちが話しかけても返事せず、黙々と食べるだけだったという。
それにキレた山里たちはいっさい料理を口にせず、自分たちが食べたものの料金は自腹を切るようにと、女性たちに促した。ところがなんと、女性陣は奢られること前提で来ていたため、誰ひとりとして財布を持たず。
そんな「地獄の合コン」経験も、鈴木のアイデアにダメ出しをする要因となったのだ。
デートでの会計時、奢ろうとする男に対して、女性側が一応は払う意思表示として財布を出し「いや、出すよ」「いいよ」「出すから大丈夫」などといったやり取りを見かけることがある。
こうしたレジ前でのキャッチボールの重要性について山里はかつて、ラジオ番組でこう語っていた。
「あれは必要よ。3往復って礼儀だから」
奢り奢られ論争は金銭だけの問題ではない。山里はそれを痛感しているのだった。
(本多ヒロシ)