令和の婚活事情を探ってみると、理想の結婚と現実のギャップを埋められない人が増えていることがわかる。これまでは男性の年収が重要視されがちだったが、日本人の平均年収がまるで上向かない中、そのハードルは徐々に下がっている。最近は、共通の趣味やライフスタイルを重視する人が増えているのだ。
そこで、野球ファンの間でたびたび論議の対象となるのが「同じチームのファンじゃなければ結婚したくない」問題だ。
同じチームを応援する者同士が結婚すれば、家族ぐるみで楽しむことができるののは確かだ。一方で、それぞれ別のチームを推している場合、
「自分は巨人ファンですが、大阪出身の妻が阪神ファンなので、シーズン中はツライです」
という切実な声が聞こえてくる。
結婚支援サービスを展開するパートナーエージェントが過去に実施した「婚活・交際・結婚についての価値観」に関するアンケート調査で、興味深い結果が出ている。
調査は熱いファンが多いことで知られる広島の独身男女に対して行われたもので、「結婚するならお相手はカープファンの人がいいか」という問いだった。これに10%の人が「カープファンでないと許容できない」と回答しているのだ。約半数は「特に気にしない」としているものの、10人に1人はしっかりとこだわりを持っていた。
これはなにも、広島に限った話ではなかろう。阪神やソフトバンク、日本ハムなども広島と同じ「地域密着型」球団のため、同じチームを応援するファンと結婚したい人は多いという。
猛烈な阪神ファンとして知られるタレントの千秋は、2016年3月に15歳下のTBS社員と再婚する際、決め手になったのは「彼が阪神ファンになったから」と打ち明けている。
男性はもともと他のスポーツが好きだったが、千秋が熱心に勧誘し、阪神ファンになってもらったタイミングで父親に引き合わせたのだとか。その父親の最終審査では、選手の顔写真を見て名前を当てるテストが実施され、見事に正解してお墨付きをもらったという。
最近は野球好き同士をマッチングする出会い系アプリが登場している。のちのちカップル、夫婦間で揉めないためにも、推しチームは合わせておくにこしたことはないのだ。
(ケン高田)