日本相撲協会は秋巡業を10月17日から離脱した新大関・大の里の診断書を公表し、「アデノウイルス感染症で約1週間の安静、加療を要する見込み」と明かした。
アデノウイルスは非常に感染力の高いウイルスで、協会発表では1週間の加療が必要ということになっているが、ちょっと甘いのではないか。医療関係者が言う。
「アデノウイルスの症状は、通常は5日程度で徐々によくなっていくのですが、熱は上がったり下がったりして1週間程度続き、いったん下がった熱が再びぶり返すこともあります。そして稀に、2週間から1カ月も発熱が続くことがある。いってみれば、アデノウイルスをこじらせると、手痛い目にあうということです」
秋巡業は10月27日まで開催され、28日は九州場所の番付発表。それから2週間、各力士は出稽古を含めた本格的な稽古を行い、調整に努める。大の里の今場所は、綱取りに向けての大切な場所となる。相撲ライターが言う。
「飛ぶ鳥を落とす勢いの大の里に限って心配ないとは思いますが、あの無敵の第4代横綱・谷風梶之助は江戸市中で流行したインフルエンザに感染し、46歳であっさり急死しているんです。1795年1月9日は無敵の横綱が死去した日というので『風邪の日』となっています」
ぜひとも万全の体調と態勢で九州場所を迎えたい大の里なのである。
(蓮見茂)