有働由美子が司会の音楽番組「with MUSIC」(日本テレビ系)が、不評を買っている。最新回の10月26日を見てみると、「今年一番歌われた曲トップ50」と題して、2024年のカラオケランキングが発表された。Mrs.GREEN APPLE、優里、DISH//、Creepy Nutsといった名だたるアーティストの歌唱映像とともに紹介されが、もちろんレギュラー回とは異なる特別編成だ。
通常はアーティストをスタジオに招いて、有働と松下洸平のダブル司会によるトークを展開。その後、パフォーマンスという形がとられている。ただ、この日は裏でプロ野球の日本シリーズ、そしてワールドシリーズの第1戦が放送されていたことから、
「最初から数字が見込めないと踏んで、こうした内容に振り切ったのかもしれません。裏番組と真っ向勝負しても無駄な時は、余計なカロリーを消費しないのが日本テレビの手法ですからね」(放送作家)
ただ、そんなことは視聴者には関係がない。「このランキングに需要はあるのか」「アーティストを深掘りする番組だったのに」「ゲストが多数出てのトークが売りのはず」などと、その評価はすこぶる悪かった。テレビ誌記者が言う。
「毎週の個人視聴率は、よくて3%台。日テレのゴールデンタイムの到達目標である5%にはほど遠い数字です。裏のフジテレビやテレビ東京と競っているぐらいですから、日テレとしても、前の番組『世界一受けたい授業』を続けている方がまだよかったと、頭を抱えているでしょう」
低迷の遠因となる裏事情を、前出の放送作家が明かすには、
「日本テレビの音楽番組、音楽バラエティー番組には『NHK紅白歌合戦』などの構成を手がけ、音楽事情や歌手のことをよく知っている、大物ベテラン放送作家が関わることが多かったのですが、最近は外されがちです。『with MUSIC』に関しては、プロデューサーが『ザ!鉄腕!DASH!!』の責任者で、監修は『世界の果てまでイッテQ!』の演出家。そこまで音楽に造詣が深くないスタッフが担当しています。やはり音楽トーク番組は、アーティストとどれだけ距離を詰められるがカギとなります。その際、旧知の仲といえるスタッフがいるのといないのとでは、アーティスト側が番組に寄せる信頼感が全く違いますから。一朝一夕では関係を築きにくいのです」
テレビ局のタイムテーブルとして、音楽番組はあるべきなのだが、数字をどこまで確保できるかを考えてスタートさせたのか、甚だ疑問なのである。
(魚住新司)