JR全線の普通列車の普通車自由席が5回(人)、乗り放題になる「青春18きっぷ」に、異常事態が発生している。
コトの始まりは今年1月だった。JRグループが2024年に発売する「青春18きっぷ」について発表したのだが、それは3月1日から4月10日まで利用できる「春季」の分のみ。これまでは春季、夏季、冬季がまとめて発表されていたため、鉄道ファンの間では「春用が最後になるのではないか」と噂されたのだ。鉄道ライターが語る。
「この『青春18きっぷ』で利用できる夜行の快速列車『ムーンライト』が次々と姿を消し、2020年には最後の『ムーンライトながら』が運行を終了。そこで『青春18きっぷ』の販売も終了になるのではないか、と言われるようになりました。例年、まとめて発表されたのに、春用だけとなれば、勘ぐりたくなるのは当然でしょう」
だが、販売終了の噂はすぐに打ち消されることになる。大手一般紙や鉄道系ニュースサイトがJR各社に問い合わせ、春季が最後ではなく夏季と冬季も販売し、決まりしだい発表するというコメントを掲載したからだ。
それでも不安が消えないのは、夏季の販売が始まる7月1日まで1カ月を切っても正式発表はなく、再び「発売されないのでは」という懸念が持ち上がっているからだ。
「毎年発売されているので、早い段階で発表してもなんら問題ありません。それなのにここまで引っ張るとは、何か理由があるとしか…。利用開始の7月20日の1カ月前、6月20日までに発表されなければ、販売は終了と考えて間違いないでしょう」(前出・鉄道ライター)
鉄道ファンだけでなく、一般の人の利用も多い「青春18きっぷ」だけに、なんとか販売を続けてほしいが、どうなるだろうか。
(海野久泰)