社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<ぜんそく>風邪薬の服用で悪化するケースも

 長引く咳に要注意。それは風邪ではなく「ぜんそく」かもしれない。「ぜんそく」といえば「小児ぜんそく」のイメージが強いかもしれないが、中高年になって発症するケースもある。むしろ大人の方が治りにくいのが厄介な点だ。

「ぜんそく」は、気道(気管支)の慢性的な炎症によって発症する病気。

 発症すると、咳や痰、息苦しさ、喘鳴(呼吸をする時に「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と音が出る)など呼吸困難を伴う症状が起こる。夜間や明け方に激しい発作が出ることも特徴のひとつだ。

 子供は気道が狭いため他のケースでもゼイゼイすることもあるが、大人で喘鳴が起こる場合は「ぜんそく」である可能性が高い。咳が出るので風邪薬を服用すると、かえって「ぜんそく」が悪化する危険もあるので注意が必要だ。

「ぜんそく」の発作は、花粉やハウスダストといったアレルゲン、喫煙、大気汚染、冷気、ストレスなどが主な原因だ。最近の研究では内臓脂肪型肥満も要因のひとつとして指摘されている。

 治療法は、気管支の炎症を抑える吸入ステロイド薬が使用される。これで改善が見られない場合は、気管支を拡張する薬やステロイド内服液が処方される。それでも改善しない場合は手術によって気道を広げるなど、段階的な治療が行われる。

 乾燥するこれからの季節は「ぜんそく」の発作が発症しやすくなるので万全な対策が必要となる。主な対処法は、前述した花粉などのアレルゲンの要因を作らず、なるべく気道を刺激しないこと。激しい運動も発作のきっかけになる。風邪やインフルエンザに感染すると重症化するケースもあるので早めの医療機関の受診が必要だ。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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