プロ野球12球団合同トライアウトが11月14日に行われたのだが、どうも緊迫した空気感に欠けていた。現場に足を運んだ在京球団フロント担当者が振り返るには、
「参加者45人に対してスカウトは156人、家族など関係者は104人いました。午前10時半から始まって、午後2時前には終了。例年通り1時間ほど『巻き』ましたが、掘り出しものは見当たりません…というのか、何のためにやっているのか、意味合いが分からないですね」
以前は戦力外選手のラストチャンスの場となっていたが、近年はそうでもないらしい。在京球団フロント担当者が続ける。
「戦力外選手を獲得できるのはトライアウト翌日からと決められていますが、シーズン中から2軍戦にはどの球団も、プロスカウト担当を行かせているので、選手の能力は把握している。それでも慣例として『一応、トライアウトを受検しておいてください』と言ったものですが、実戦からすでに2カ月近く遠ざかり、11月半ばの午前中からいきなりシート打撃形式とはいえ、実戦をやらせる。ケガのリスクが高まります。NPBは今年で主催を降りたいと訴えていますが、実情を知ってのことだと思います」
となれば、年末に放送される、戦力外通告を受けた元選手たちの特番も、そろそろ終焉を迎えそうである。