26年ぶりに日本一に輝いたDeNAは、11月30日に優勝パレードを開催する。「(前回優勝時の)1998年の記憶を超える忘れられない1日にしたい」として、クラウドファンディングを立ち上げた。第一目標金額を「1000万円」としたが、すでに1446人から2150万円超(11月18日現在)が集まっており、達成率は215%。11月20日正午の期限までに、第二目標の「3000万円」を達成する勢いだ。
ここで飛び出したのが「ソフトバンクファンの嘆き」だった。ソフトバンクもまた、11月24日に優勝祝賀パレードを予定しており、ファンにクラウドファンディングによる資金調達を呼びかけているのだが、ここまで集まったのは、203人からわずか117万2000円(11月18日現在)。目標金額はDeNAをはるかに超える7300万円としていただけに、厳しい現実を突きつけられている。
クッキリと明暗が分かれた両球団のクラファンの「差」は何か。「(金満球団の)ソフトバンクは自分で金を出せ」「DeNAの優勝パレードは二度と見られないかもしれない」などという指摘はあるが…。
優勝常連のソフトバンクと、26年ぶりに日本一となったDeNAでは、ファンの盛り上がりに差が出るのは仕方がないとはいえ、実はそれ以上に「リターン」の違いが大きく影響していた。
DeNAでは「バスに乗り込む選手をハイタッチでお見送り」1万円、「パレードで行進出来る権利」10万円、「選手があなたのお名前を呼ぶお礼動画」10万円など、普段なかなか接することができない選手とのふれあい体験が特徴で、どれも売り出した瞬間に完売している。
一方のソフトバンクは、同じ1万円を払ってもらえるのは「トートバッグ」のみ。10万円の「パレード開催応援コース」にいたっては、行進できるどころか、返礼品すらない。単なる球団への寄付、といった感じだ。
圧倒的な強さを誇るソフトバンクだが、ことファンサービスという点では、完全にDeNAに周回遅れしていることが露呈した。ファンがカネを出し渋る気持ちがよくわかる。
(ケン高田)