図らずもテレビタレントとしての「能力不足」を感じさせてしまったお笑いトリオがいる。それは11月17日の「シューイチ」(日本テレビ系)での出来事だった。
ホテルニューオータニで大人気の朝食ビュッフェの中から、厳選された5品を食べ、その中からお客さん人気No.1を当てる。この企画に挑戦したのが、ジェラードン(海野裕二は休業中)だ。
冒頭、アタック西本は「当てられなかったら吉本辞めてフリーになります」と意気込む。そして1品目の肉味噌醤油ラーメンを食べると「美味しい。肉味噌が醤油ラーメンと絡んで美味しい。お店の味」と、詳しい味がわからず、かといって笑いにも振り切れない中途半端なコメントを繰り出した。
かみちぃは真っ白なオムレツを食べる際、その見た目には触れず、食べながら「えっ、ちょっとなんかすごい。具だくさんでございます。具だくさんでーす。スタジオの皆さん、具だくさんです」。食レポとしてはなかなかツラいと言わざるをえなかった。
このあとも2人は語彙力も伝達力もない食レポのみならず、自らが展開するコントの世界から脱しきれず、やりたい放題。西本が顔にネコのヒゲなどを描いて「ホテルニャーオータニ」とボケれば、かみちぃも食後、いきなりテーブルの前でキレキレのダンスを踊り出す。スタジオにいる中山秀征からは「味が伝わってないですけど…」とダメ出しされていた。
ジェラードンは、クセになるシチュエーション・コントを公開するYouTubeチャンネルの登録者数が145万人。2021年の「キングオブコント」(TBS系)では決勝5位に残るなど、名実ともに知られたコント師だ。
「テレビタレントとしても期待はされていながら、2人の立ち位置がボケとツッコミというよりも、お互い自由にやっているので、起用する側としてはどう使えばいいのか、ハメにくいというのが本音です。ジェラードンの世界観は残しつつも、なんとか適応できるようになっていけばいいのに…」(制作会社スタッフ)
勢いがあるうちに軌道修正した方がよさそうである。
(魚住新司)