国会で居眠りしている場合ではない。トランプ次期大統領が再登板に向けて準備を進める中、「自衛隊の米国駐屯」だの「アジア版NATO」だのをブチ上げていた石破茂総理への不安は募るばかり。撃たれても死ななかった男を相手にどう立ち向かえばいいのか。ヤクザがタフなネゴシエート術を伝授する。
決選投票で第103代内閣総理大臣に指名されて1週間が経過したというのに、先の総選挙惨敗もあって、石破政権に「景気のいい話」はさっぱり聞こえてこない。
さらに海の向こうでドナルド・トランプ前大統領(78)が再登板を決めたことで、ますます窮地に追い込まれつつある。
「トランプにとっては最後の4年間で、やりたいことを我慢する必要がない。ムチャクチャやってくると同時に、どうやって良好な関係を保てるか、今まで以上に日米関係の舵取りは難しくなると思います。その意味で石破さんは、最も不適任な総理でしょう」
そう語るのは国際ジャーナリストの山田敏弘氏である。その理由は、単純に政治家としてのスタンスが親米でなく親中派であること。さらにトランプ次期大統領と昵懇だった、安倍晋三元総理に政敵として蛇蝎の如く嫌われていたことなどが挙げられる。
トランプ次期大統領に、南米外遊後に首脳会談を取り付けようと動いたものの、先方からあっさり断られたとも報じられている。加えてトランプ次期大統領が各国首脳と電話会談を行った中で、たった5分で切られるという断トツの最短記録を打ち立てており、2度の接触プランもなかなか功を奏さない。山田氏がさらに続ける。
「米高官の多くは『どうせ3月の予算成立後に野党から内閣不信任案が出て終わる短命政権だろう。会う必要はない』とすら思っています」
そんな総理に、このまま日米外交を任せていいのか。事の顚末を聞いて、関西在住の某組織二次団体幹部が呆れ顔で口を開く。
「安倍さんはゴルフやなんやで、トランプとは兄弟盃交わしたんかいうくらいめちゃくちゃ仲よかったわけやんか。ところが石破は安倍さんとは完全に反目。そんなもん、普通に『会うてくれ』言うたかて、そもそも門前払いとちゃうの。少なくともこっちの世界やったら絶対そうなるで」
ヤクザの論理で事態を飲み込み、俯瞰で語った日米トップの関係は非常にわかりやすく、的を射たところもある。
ある意味、ヤクザは交渉事のプロである。キャバクラから「みかじめ料」を受け取るのも、互いの組織の組員のイザコザを収めるのも、すべてネゴシエートによるものだ。さらに言えば、親交のある組織の組長が互いに行き来して、外交上の戦略を巡ってひざを突き合わせることも少なくない。
ある意味、頼りない総理に、「トップ交渉の極意」を授けてもらうにうってつけかもしれない。というわけで、その攻略法を石破総理に成り代わり、色々と話を聞いてみた。