ドジャース・大谷翔平の3度目となるメジャーリーグMVP(最優秀選手賞)受賞で、大谷の地元・岩手県奥州市は大盛り上がりだ。我が町が生んだスーパースターの新たな勲章に、市民は鼻が高いのである。
実は今、奥州市の図書館が展示している、大谷に関する資料を見るため、県内外から多くの人が図書館を訪れている。
これは「大谷年表」と呼ばれる、大谷の誕生から現在までの出来事を綴った年表であり、3年前に作成が開始された。MLBのMVP発表の時期に合わせて毎年、期間限定で展示されるという。
年表の内容を見てみると、野球に関する事柄だけでなく、学校の部活の仲間や家族とのエピソードなど、ごくプライベートなものまで、てんこ盛り。作成した図書館の女性司書によれば、今年は大谷がポストシーズンまでプレーしたため、昨年と比較して作成に手間がかかったのだと。
ところが、だ。大谷を身近に感じる上では貴重な資料といえるが、「あまりにも詳しすぎる」ことが、逆に問題となっているのである。
なにしろ、どこの病院で生まれたとか、中学入学早々に5人の女の子から告白されたとか、こんな情報を載せて大丈夫なのかと思ってしまう「プライベート情報」が、これでもかと登場するからだ。
大谷のプライバシーをめぐっては、日本テレビとフジテレビのワイドショーがアメリカの新居の場所を詳しく取材してバラし、大谷が激怒する「事件」が起きた。この年表作成にあたり、はたして大谷に許可を得てプライベート情報を掲載しているのかどうかは不明だが、当の大谷はどう思っているのだろうか。
大谷年表は既に長さが43メートルを超え、来年以降に増える分を考えると、掲載スペースを確保できるかどうかが懸案事項だという。
(石見剣)