浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督は11月28日の定例会見で、30日の第37節アビスパ福岡、12月8日の最終節アルビレックス新潟戦について、トップ10入りを目指すとともに、
「ベンチスタートが多かった選手にプレーする機会を与えるチャンスでもあります。そして、来シーズンに向けて新たな戦い方やセットアップを試すこともできる」
と明言した。これにより、来季への生き残りをかけたサバイバルレースが勃発というわけだが…。
今季の浦和は、ノルウェー代表経験のあるペア・マティアス・ヘグモ監督を招聘。長期政権を託すはずだったが、リーグ13位という成績不振のため、わずか8カ月で解任。慌てた状態で2023年シーズンを率いたスコルジャ監督の再登板を決めた。
「夏には元日本代表のMF原口元気をはじめ、MF本間至恩、MF長沼洋一、FW二田理央を緊急補強しました。しかし、新戦力と新監督の采配はかみ合わず、5年ぶりの4連敗という泥沼に突入。一時は降格圏争いに陥りました。ようやく抜け出したことで、来季の戦力の発掘に動き出すようですね」(サッカーライター)
優勝争いや降格争いにかかわっていない中、緊張感を保つのは大事なことだが、少なからずサポーターからは疑問の声やブーイングが上がっている。前出のサッカーライターはこう話す。
「シーズン途中にバトンを引き継いだハンデを割り引いても、今まで何をやっていたのか、という疑問です。黒星が先行していたのだから、新監督のカラーを前面に押し出して戦ってもよかったはず。それを今さらチャンスを与えると言っても、それで何がわかるのか。遅すぎるというわけです」
ビッグクラブの浦和には毎シーズン、優勝が求められるのは当然のこと。
2020年シーズンには3カ年計画を掲げ「22年にリーグ優勝。23年以降は安定した優勝争い、連覇。30年のクラブW杯優勝〉をブチ上げていた。しかし、約4年半の間に4度の監督交代を繰り返すなど、フロントの迷走は明らかだ。
「監督人事だけではなく、ここ数年で一貫性のない補強が続き、ネームバリューを優先した海外の出戻り組を中心に新戦力を獲得していますが、ほとんど期待外れに終わっています。サポーターにしてれみば、スコルジャ監督が戦力の発掘を試したところで、来季の開幕戦は大幅にメンバーが入れ替わっていたり、シーズン途中にまた監督交代の可能性が大いにある。どこかシラけてしまうのです」(前出・サッカーライター)
最後まで「何かをしている」小手先感を出されるより、ホームで迎える最終節の新潟戦では、クラブの勝利に大きく貢献し、現役引退を表明しているFW興梠慎三とDF宇賀神友弥を試合に出場させてくれることが、サポーターにとっての一番の願いなのだ。
(風吹啓太)