日本人離れした身体能力でゴールを量産し、サッカー日本代表としても活躍した久保竜彦氏が、自らが「開眼した瞬間」を鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルで語っている。
久保氏は2003年、日本代表として12試合に出場し、8得点。欧州遠征では3試合連続でゴールと大ブレイク。日本代表のエースに上り詰めた。そこにはジーコ監督の助言があったという。
「ジーコがシュートの打ち方を教えてくれた。『溜めてみろ』と言って。自分は思いっきりシュートを打つ感じだった。少しズラしたりとか『溜め』を教えてくれた。(W杯アジア予選の)オマーン戦のシュートも、ジーコが言っていたから少しズラして、あれでもう、こういう感じかというのをつかんだ」
しかし、2006年のW杯ドイツ大会のメンバーから外されてしまう。その理由を久保氏は、
「ガックリきたね。いや、まぁしょうがない。あの年の初めに何試合かした後から、あれ(腰痛)だったもんね。ひどくなった。代表の試合もあまり出られなかった。出たかったよな。仕方ないけどな」
慢性的に悩まされてきた腰痛が原因だったと振り返ったのである。その時の心境はというと、
「泣きはしなかったけど、めっちゃ悔しかった。2日、練習を休んだ。岡田さんには『1日休みあげるから、それで切り替えてこい』って言われたんだよね。『わかりました、ありがとうございます』って言ったけど無理で『今日、起きられませんでした』と電話した。『じゃあ明日、来い』と言われて『わかりました』って。いじけまくっていたね。何も考えられないよ。でもW杯に間に合わせようと思って、治療をやっていた。でも無理やった」
最後に、絞り出すように言った。
「しゃあねぇか…」
自身の助言でストライカーとして開眼した久保氏を、ジーコはW杯の舞台で見たかったことだろう。
(鈴木誠)