札幌・ススキノの雑居ビル内で11月26日に発生した、ガールズバーの爆発事故は衝撃的だった。30代と50代の男性客、20代の女性従業員、そしてガソリンとみられる液体を撒き、火をつけたとされる41歳の男性が負傷し、意識不明の重体となった。捜査関係者によれば、火をつけた男性は元々、この店の「太客」として知られ、やけどを負った20代女性従業員の元交際相手だったことが判明している。
こうした客と女性スタッフのトラブルを端緒とした事件は、あとを絶たない。今年5月には、東京都新宿区のタワーマンション敷地内でガールズバーを経営していた25歳女性が、かつての客に刺殺される事件が発生。この客は女性に対し、約1000万円を貢いでいたと報じられた。
本来、ガールズバーはカウンター越しに接客する形態であり、キャストが客と連絡先を交換するというルールはない。色恋営業に発展することは稀であるはずだが、なぜこのような事件が起きるのか。ガールズバーで働く女性の証言を聞こう。
「ガールズバーはキャバクラに比べると、時給が1500円から2000円程度と低めですが、キャストは客と連絡先を交換して営業をする必要がありません。でも店で頼まれるドリンクバックが収入に上乗せされる仕組みで、ドリンクバックはドリンク代の10%、100円から150円程度が相場です。だからもっと稼ぎたい女性キャストが色恋営業を行い、高額なシャンパンを降ろさせるケースがあったりしますね」
ガールズバーのシステムは本来、客とキャストのトラブルを防ぐ仕組みとなっている。しかし金銭的な問題を背景として、事件に発展するケースが存在するのは事実。
札幌の事件は意識不明の男性の回復を待ちつつ、一刻も早く原因を究明し、再発防止策を講じねばならない。
(カワノアユミ)