「最高6万円もするアリーナ席のチケットが、飛ぶように売れている」
そう言って関係者がホクホク顔なのが、12月28と29日にエスコンフィールド北海道で行われる、B1レバンガ北海道とシーホース三河の試合だ。
Bリーグ史上初めて野球場でバスケットボールの試合が行われるという記念すべきもので、現地では12月22日夜から、本格的な工事がスタート。すでに内野エリアには45メートル×32メートルのバスケットボールコートが完成し、あとは選手を迎えるだけになっている。
レバンガは現在、B1東地区で9勝15敗の5位と負けが先行しているが、中地区3位のシーホースを破って上位進出の足がかりにしたいところだ。
「世界がまだ見ぬボールパーク(BP)」をコンセプトに、2015年から進められてきた日本ハムのボールパーク構想が、ついに完成形に近づいてきた。既成概念にとらわれないバスケットボールとの融合も、そのひとつといえよう。
これまでレバンガのホームゲームでの最高観客動員数は6646人だが、すでにこれを超えるのは確実視されており、場合によってはリーグ最高動員数1万3657人の記録を塗り替えるかもしれない。
一方でお寒い状況なのは、日本ハムに出ていかれたかつての本拠地、札幌ドームだ。活路を見い出そうと取り組んだネーミングライツこそ、なんとか大和ハウス工業に売却できたものの、整備に10億円を投じた新コンサートモードは今のところ不発。かつての殿様商売のツケが回ってきている。
レバンガは2023年12月に、札幌ドーム周辺の活性化やスポーツによるまちづくりに共同で取り組むため、札幌市、札幌ドーム、コンサドーレと連携協定を締結。本来であれば札幌ドームでBリーグの試合が行われてもおかしくなかったのだが…。
奇しくも史上初の試合が行われる12月29日、札幌ドームでは開催が予定されていたダンスイベント「MANダンスFES」が、諸般の事情を理由に中止になっている。まさかここまでハッキリとエスコンフィールドとの明暗が分かれるとは、道民は想像していなかったのではないか。
収益の柱と見込んでいたコンサドーレは、J2に降格。Bリーグの試合はエスコンフィールドで開催されることになり、ますます窮地に陥ることになった札幌ドーム。日本ハムのマスコットキャラクター、フレップ君はコンサドーレが降格争いの最中に、レバンガの応援に駆けつけている。どうやらフレップ君の行動が、全てを物語っているようである。
(ケン高田)