それまで何事もなく仕事していたはずなのに、ある日突然、活動を停止してしまう。そんな驚きの出来事が、テレビ界ではたまに起きる。
元AKB48の超人気メンバーだった渡辺麻友のケースを見てみよう。2020年6月1日、所属事務所が「健康上の理由」として、渡辺の芸能界引退を発表。翌日には彼女が管理するSNSが閉鎖された。自ら閉鎖したものとみられる。
グループ卒業後はアイドルしてではなく、ミュージカル「アメリ」やNHK連続テレビ小説「なつぞら」(2019年度前期)など、むしろ女優として輝いていた。潔い幕引きに「まゆゆらしい!」との声は上がったものの、アイドル時代から完璧を追い求めるあまりプレッシャーに押し潰されたのでは、との憶測が流れた。
「引退発表時、所属事務所は『数年前から体調がすぐれなかった』と説明していましたが、実際に仕事に支障をきたしたのは、中居正広と司会を務めていた不定期の音楽バラエティー番組『UTAGE!』でのこと。2020年2月16日のスペシャル版を、体調不良のため欠席しています。つまり今思うと、少なくとも2020年出初頭から、表に出られるコンディションではなかったと考えられますね」
その中居スキャンダルで大揺れのフジテレビでは、アナウンサーだった渡邊渚の療養と退社が驚きに包まれた。
彼女は2020年4月に入社すると「もしもツアーズ」4代目ツアーガイド、「ぽかぽか」進行アナウンサー、「ワイドナショー」のアシスタントとして頭角を現わしていった。
昨年8月いっぱいでフジテレビを退職し、その1カ月後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患っていたと明かした。
「ところが『病名を言えなかったのは、会社から止められていたから』という告白を聞いて、フジテレビはなんと理解のない会社だろうと思いましたね」(放送作家)
現在、彼女はインスタグラムに投稿したり、雑誌のグラビアで活躍。古巣の港浩一社長が中居スキャンダルがらみの記者会見を行った3時間後に、フォトエッセイ「透明を満たす」の発売を発表している。
(上戸涼夫)