対して、オリックスの中島裕之(32)は2年間、メジャー昇格もなく日本球界に復帰してきた。期するものがあるはずだが、キャンプを通して“太め残り”ばかりが注目されてきたのだ。
各地を視察し、中島とも直接話したプロ野球解説者の伊原春樹氏が言う。
「渡米した選手は、ウエートトレは増やす一方で、どうしても日本では強制的に行っている苦しいランニングの量が減ります。中島は2年間もそうした練習に慣れてしまい、今は守備を見ても動きが重いですね。かつて重めで帰国した西岡や岩村を見ても、脚力まで落ちていました。天才型のバッティングを披露するためにも早く体をしぼらないと」
ところが、自慢だった打撃にも狂いが生じているようなのだ。
「2月16日にキャンプ地を訪れた、前ソフトバンク監督の秋山幸二氏が中島を指導しました。バックステージに引き揚げた秋山氏は『おかしくなって治ってねえな』とこぼしていたそうです。要は、米国でムービングボールに適応しようと誤っていじったフォームが再修正できていないため、かつてのよさまで消えてしまったというのです。実は昨年、中島は2Aの試合で守備中に走者と接触して左腕を骨折したのですが、病院で治療せずに治してしまった。今後、フルスイングした際にボキッといってしまうようなことがなければいいのですが‥‥」(球界関係者)
さらには、渡米前から指摘されてきた守備難もそのままだという。
「中島は遊撃手としてレギュラーを張ることしか考えていないようですが、現場からは『現状を考えると安達了一(27)のほうが上だな』との声が上がっている。それでも中島に危機感はなく、一塁の練習をさせられて、マスコミに『遊びでしょ』と話していました。小谷野もいますし、選手内からは『獲る必要があったのか』との声まで出ているんです」(スポーツライター)
伊原氏が言う。
「中島に限らず、監督がものを言えるかでしょう。メジャー帰りだろうが、ものが言えるか言えないか。各選手に実力があっても、そこに落とし穴があるかもしれませんね」
まだオープン戦だが、シーズンはすぐに開幕してしまう。メジャー帰りだろうが待ってはくれない。