スポーツ

テリー伊藤対談「棚橋弘至」(2)昔からのファンには嫌われた?

20150312p

テリー でも新日みたいな老舗で新しいことをすると、いろいろ軋轢もあったんじゃないですか。

棚橋 アレルギー反応もありましたね。昔ながらの新日のファンからブーイングが出て。

テリー 「やめろ!」って。

棚橋 そういうのもありますし、「生理的に嫌い」といった意見とか。「棚橋の試合は、俺は無理」とか。エアギターを始めた頃は、やっている時にお客さんが帰っていました。だけどめげずに「まだまだ帰るのは早いですよ」と言いながら続けたんです。

テリー そこで自分のスタイルを曲げなかったと。

棚橋 あとは低迷していた新日本を新しく変えるために、とにかく猪木さんのイメージから離れないといけないと考えて。僕が最初にやったことは、道場にかかっていた猪木さんのパネルを外すことでした。

テリー おお、すごい。

棚橋 「もう取りましょう」って。その頃は、僕が理想とするプロレスに自分自身の力がまだ追いついてなかったので、お客さんからのブーイングもしかたなかったと思います。でも必死で戦っているうちに、転換期が来るんですね。

テリー 認められた瞬間があったんですね。

棚橋 2009年の試合で、開始直後はブーイングだったのが、試合のあとに棚橋コールになったんです。

テリー どういう試合だったんですか。

棚橋 5月に中西(学)選手とタイトルマッチをやって、僕がベルトを取られた。そのまた1カ月後、同じ対戦カードで再びタイトルマッチをやったんです。中西さんもようやく取ったチャンピオンベルトですから、会場のファンも「中西に勝ってほしい」という声援が多かったんです。

テリー つまり棚橋さんは敵役だった。

棚橋 はい。中西さんはパワーもあるし、ダイナミックな技で防戦一方だったんです。でもそんな中で、自分が立ち向かっていく姿がファンの方に伝わったのかなと。その試合以来、声援が増えるようになっていきましたね。

テリー 今はどういったファンが多いんですか。

棚橋 お子さんや家族連れ、女性ファンがすごく増えました。

テリー 女性ファンが多いのは、うれしいですよね。

棚橋 はい。スターになれると思って新日本プロレスに入っているので。僕はサイン会でファンの方とおしゃべりする時も、「黄色い声援をお願いします」とあえて言います(笑)。

テリー 女性ファンが増えると、試合内容も変わってくるものですか。

棚橋 いえ。試合に関しては、昔ながらのプロレスも大好きですし、そこの部分は変えたりはしないんですね。ただ、ビジュアル面は洗練されてきました。

テリー 今の選手はガタイがいいのにオシャレだし、あとはよく話すよね。

棚橋 棚橋、オカダ(カズチカ)、中邑(真輔)、真壁(刀義)と、他のジャンルのスポーツと比べても見劣りしない肉体なんですね。一見して「鍛えてるな」というビジュアル面でアスリート性を前面に出してるんです。だからそこで口を開いた時の、選手の性格とのギャップがウケているんじゃないかなとも思います。

テリー そうだよね。真壁さんは体や顔はいかつくて「いかにもレスラー」なのに、「スイーツが大好き」っていうおもしろさがある。

棚橋 僕もプロモーションでチャラチャラしていたり、エアギターを弾いたりしてても、試合はド真剣にやってる、という部分が効果を生み出しているのかなと。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論