日本一奪還へ向けて、オフに積極的なチーム強化に動いた巨人。FA宣言した甲斐拓也を獲得し、さらには4年総額50億円以上の超破格契約で、ライデル・マルティネスの争奪戦にも勝利。読売グループの豊富な資金力をバックに、思い通りの補強を成功させたのだから、阿部慎之助監督はホクホク顔だろう。
そんな阿部監督がつい「本音」を漏らしてしまった。
それは3月3日に行われた、財界関係者らによる巨人を応援する有志による「燦燦会」でのこと。ここに出席した阿部監督は冒頭のスピーチで、次のようにブチかましたのである。
「素晴らしい補強、略奪をしていただきまして、日本一にならなくてはいけないんだという、また重責を担った次第であります。必ず日本一になることを約束して、挨拶に代えさせていただきます」
なんと自チームの補強を「略奪」と表現したのだ。はたして監督が言うセリフなのかと疑問を持たざるをえないが、巨人の指揮官は頻繁に「欲しい欲しい病」を発症する。他球団の主力選手を札束で強引に「略奪」している意識は持っていたようで…。
阿部監督は今年2月にもファン向けのトークショーで、こんなことを言っている。
「賛否両論あるんですけど、やっぱり『人集めてナンボ』。原点に戻れたような感じでいます」
大型補強に成功したことを、ドヤ顔で自慢したのだ。さすがにファンの前では言葉を選んだが、身内の集まりといえる「燦燦会」では、つい本音が漏れてしまったようである。
かつて2軍監督時代に出演したトークショーでは、
「期待する若手はいない。それぐらいレベルが低い」
とコメントし、原辰徳監督から「監督として叱咤する時はツバをゴクッと飲んでから、考えて発言しなさい」と説教されたことがある。原前監督も「略奪発言」には、ハラハラしたのではないか。
本人はジョークのつもりだったのかもしれないが、他球団は「なんとしてでも巨人には勝つ」と、金満政権への猛攻撃を心に誓ったことだろう。
(ケン高田)