「世紀の先駆者になってほしい」
これは「本気で獲得」に向けて誠意を見せる、巨人・阿部慎之助監督の熱烈ラブコールだ。FA戦線の主役となった阪神・大山悠輔に向けて発したこの言葉は、阿部監督が大山について初めて言及したものだった。
それは11月22日に、札幌市内の飲食店で開いたトークショーでのこと。この店はオーナーが阿部監督の現役時代から、個人的に手厚く支援していることで知られている。
「そこでわざわざ言及するあたりに、最大限の配慮をしたなと思うわけです。阪神から巨人にFA移籍するとなれば、史上初めて。大山への激しいヤジが飛ぶであろうことにも『認められている証拠だと思って、粋に感じてほしい』と呼びかけました。長年、巨人の4番として活躍した大打者だからこそ、大山には響く言葉だと思いますよ」(スポーツ紙デスク)
巨人には、大山を獲得できるかどうかのポイントがある。スポーツ紙デスクが続ける。
「トークショーの中で阿部監督が大山のほかに、同じく獲得を目指すソフトバンクの甲斐拓也について、自ら交渉場所に出向いて説得すると明言したのです。監督が出ていくということは、交渉はかなり巨人優勢で進んでいる証拠。現場トップが出馬しての失敗は、絶対に許されませんからね。最後のひと押しを監督がやって、交渉成立に持ち込みたいわけです。それは大山についても同じこと」
阪神ファンを敵に回しそうな、史上初の移籍が現実のものとなるのかどうか、見ものである。