ウクライナ戦線に投入されている「北朝鮮兵の値段」が高騰している。北朝鮮はロシア軍に派兵し、1人あたり3万ドル(約450万円)の外貨を受け取っているといわれているが、前線での「特攻隊」のような働きが世界的に注目されている。その対価は現在の倍を超えてもいいのではないか、との見方も出ており、ウクライナのゼレンスキー大統領がトランプ米大統領と口論して停戦が先送りになったことに、最も喜んでいるのは北朝鮮かもしれない。
3月7日付の日経新聞電子版では、ロシア西部クルスク州の激戦地で北朝鮮兵と戦うウクライナ軍の突撃旅団小隊長が取材に応じ、「北朝鮮兵は恐れを知らない狂信的な集団だ」と証言している。「100人弱の歩兵は、近くに砲弾が落ちても攻撃の速度を落とさず、死ぬまで止まらない」「体力、精神力、射撃力で極めて高い訓練を受けている。コンピュータゲームの中の(人格がない)敵のようだ」とも語り、恐怖を感じているようだ。
韓国系のニュースサイトによると、「捕虜になるなら自爆しろ」と教育された上に「捕虜になると本国の家族に害が及ぶ」との意識から、負傷によって自死する兵は多く、ウクライナ軍内で北朝鮮兵への警戒が高まっている。
北朝鮮軍は当初、1万1000人ほどがロシアに派兵されたが、3600人あまりが負傷。交代で2月中旬までに1500人が派兵された。トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と和平で合意するムードが醸し出されるやいなや、3月に入り、3500人が新たに派兵されたという。計1万6000人分、計720億円が北朝鮮の懐に入った計算になるが、「増兵分は倍額になっている可能性がある」との見方が、韓国ではあるという。
「ロシアにとって、勇敢な兵をカネで買えるなら、これ以上の武器はない。アフリカ諸国、中国もロシアでの北朝鮮兵の動向に注目している。もう3万ドルでは済まないでしょう」(日本の防衛関係者)
まさにウハウハな金正恩なのである。
(健田ミナミ)