ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が、新たに4年契約を更新した。ニューヨークポスト紙など複数のメディアが報じており、それによれば、総額は3240万ドル(約47億7000万円)。年平均では810万ドル(約11億9000万円)となり、カブスのクレイグ・カウンセル監督の「5年総額4000万ドル」(約59億2000万円、年平均約11億8000万円)を抜いて、MLB史上最高年俸額の指揮官となる。
ロバーツ監督の契約は当初、2025年シーズンまで。しかしワールドシリーズを制覇し、昨年末のウィンターミーティングの時点でブランダン・ゴームズGMは、スプリングキャンプ中に再契約の話し合いをする旨を明かしていた。2月6日にはロバーツ監督が取材陣に「新契約に関しては楽観視している」と話していたので、既に好条件を提示されていたのだろう。
ここでやっかみ含みで浮上しているのが「ロバーツ監督は本当に名将なのか」と勘繰る声だ。
「BBWAA(全米野球協会)が選ぶ『年間最優秀監督賞』に選ばれたのは、2016年の一度だけ。ワールドシリーズ制覇を遂げた昨年も選ばれていません」(メジャー関係者)
年間最優秀監督賞には、前年よりも勝ち星を大きく伸ばした監督が選ばれる傾向にある。そのため、常勝ドジャースの指揮官は選ばれにくいという。
また、1000試合以上を指揮した監督の中では851勝、勝率6割2分7厘はトップ数値。それでもロバーツ監督が名将と呼ばれない理由がある。
まず、ドジャースの戦力が整いすぎていること。これこそやっかみだが、「誰が監督になっても勝てる」という見方をされているのだ。
「あの巨大戦力を持ち、9シーズンでワールドシリーズ制覇は2回だけ。先発投手を引っ張りすぎるところがあり、余計な失点を与えている、との評価が多く聞かれます」(前出・メジャー関係者)
ドジャースには大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンというMVP受賞選手が3人もいる。昨年、米メディアは「3人のプライドがぶつかり合って、チームが崩壊してしまうのでは」と懸念していたが、そんな気配は微塵も感じられなかった。これこそが、ロバーツ監督の長所ではないだろうか。
いずれにせよ今回の大型延長契約で、資金力が豊富なドジャースに対するやっかみの声は、さらに強まりそうだ。
(飯山満/スポーツライター)