このままではJ1復帰どころか、J3への転落が現実になるかもしれない。さらには「本拠地撤退」が現実味を帯びてくる可能性もあるだろう。
J2・北海道コンサドーレ札幌は3月9日、大和ハウスプレミストドーム(札幌ドーム)でジェフユナイテッド千葉とのホーム開幕戦に臨み、1-3で敗れた。クラブ史上初の開幕4連敗に、スタンドのサポーターは大荒れ。岩政大樹監督の解任を求める罵声が飛び交った。
コンサドーレは大和ハウスプレミストドームを本拠地にしているが、「札幌ドームの赤字補填による出費で、選手補強にかけられる金がない」という指摘がある。どうやら批判の矛先は、ドームにも向けられているようだ。
昨年12月、札幌市議会でドーム条例の一部を改正する条例案が可決され、今年4月1日から「大規模な観戦・鑑賞型の催物」の利用料金の限度額を、1日770万円(税込、以下同)から850万円へと値上げされることが決まった。さらに入場者が2万人を超えると加わる、1人につき385円の加算金も425円へと値上げされるため、コンサドーレの負担は重くなるばかりだ。
コンサドーレは昨年4月の時点で6年連続4億円の赤字を計上しており、ここから3年連続で赤字なら、Jリーグの参加条件であるクラブライセンスが取り消される。ただでさえJ1に比べて観客数が少ない現状から、さらにJ3降格となれば、ドームからの撤退は十分にありうる話だろう。
地元札幌では今でも「札幌ドーム解体」を訴える声がくすぶっており、頼みの綱のコンサドーレが撤退すれば、ドームの存続問題に発展しかねない。
悪夢の4連敗はサポーターにとって悲劇でしかないが、「札幌ドーム」にも暗雲が垂れ込めるとなれば、コトはただでは済みそうにない。
(ケン高田)