「まあ伸びねぇだろうな、大物じゃないですね」
野球解説者の大久保博元氏のこの辛辣な評は、誰に向けられたものか。YouTubeチャンネル「デーブ大久保チャンネル」で語られたのは、西武・佐藤龍世の「寝坊事件」だった。
それは3月7日、チームが北海道から静岡へと移動する直行便の飛行機に、佐藤は寝過ごして搭乗できず。怒った西口文也監督は「寝坊したから3軍に落とした」と懲罰降格措置に出て「危機感がないっていうかね。今、この現状で自分がどういう立ち位置にいるのか。そこを考えれば…」と突き放した。
佐藤は富士大学から2018年ドラフト7位で西武に入団。2021年に日本ハムに移籍し、2023年から西武に復帰した28歳だ。フル出場したシーズンは一度もないが、2023年は91試合、そして2024年は93試合出場の機会を得た。佐藤が伸びない理由を、大久保氏はこう論じている。
「今年レギュラーを掴もうって選手がですね…そういうルール守れない人は、実際、ゲームは守れません。ゲームの約束事は守れない。(寝坊防止に)目覚ましを真横に置いておくとか、例えば飲み過ぎてどうしても起きれないっていうなら仲間にお願いしておくとか、工夫するってことをしてない。そういう人は、野球の中も工夫しないんですよ」
「寝坊」「大物」という単語を聞いて失礼ながら頭に浮かべるのが、あの松井秀喜だが、大久保氏はそれとは異なると断じる。
「松井選手はギリギリ…でも正しいんです。(移動のバスが)10時出発なんだから、9時59分でもいいわけです。ただ、長嶋(茂雄)監督でも5分10分前に乗ってるからその前に乗って、ってだけの話です。寝坊もしてないし、遅刻もしてないですね。あんだけ打てば、大物だなって」
厳しいダメ出しを食らった寝坊男は、心を入れ替えて奮起できるかどうか。
(所ひで/ユーチューブライター)