3月28日のプロ野球開幕を目前にして、スポーツ各紙、野球解説者による順位予想が続々と出揃った。
スポニチ、報知、サンスポ3紙合計36人の予想では、21人が巨人を優勝チームに「指名」している。しかも36人中、誰ひとりBクラスとする者はおらず、Aクラス入りが確実視されることに。
阪神優勝予想も11人。ほぼ全ての解説者が巨人と阪神の2チームを推している。基本的にどの解説者も古巣チームを1位にする傾向が強いが、顕著だったのは広島だ。元監督の野村謙二郎氏、佐々岡真司氏、大野豊氏が1位指名。3人とも新外国人モンテロとファビアンの活躍を前提としているが、期待通りの打撃となるかがカギである。
一方で、カープファンをことさら驚かせているのは、いわゆる「安仁屋算」と呼ばれる投手の勝ち星計算方式で毎年、シーズン100勝以上という非現実的な予想を展開するOBの安仁屋宗八氏だ。なんと、今年はかなり現実的な数字を掲げているからだ。
「森下暢仁には15勝してもらわないと、カープの優勝はない」
として森下、大瀬良大地、床田寛樹の先発3本柱をそれぞれ「15勝」と予想。さらに先発候補の玉村昇悟8勝、アドゥワ誠8勝、森翔平7勝を加えて「68勝」に。そこに常廣羽也斗やドミンゲスら、中継ぎ陣の20勝で合計「88勝」とした。
昨季は77勝の巨人がリーグ制覇しており、「88勝」が現実のものとなれば優勝間違いなしというわけだ。
これは一見、無謀な数字のようだが、広島は2016年から2019年にリーグ3連覇時には89勝、88勝、82勝と3年連続で80勝以上。けっして荒唐無稽な数字ではないのだ。
「これは確実にできる数字。今まではちょっと多めに言いましたから」
不敵な笑いを浮かべて話す安仁屋氏。昨年は「カープは179勝」と、あり得ない予想でファンを呆れさせたが、今年は反省を込めて一転、現実味のある予想となったのである。まぁ、数字的な現実味はあろうが、あとはチーム力と監督采配しだいということで…。
(ケン高田)