マツダスタジアム開場初の快挙となった。広島東洋カープの大瀬良大地投手が6月7日の千葉ロッテマリーンズ戦で、史上90人目のノーヒットノーランを達成したのだ。打者31人を129球で抑え、2三振、5四球。
「まだ信じられないというか、自分のことじゃないような気持ち。そういったものとは無縁だと思っていた」
大瀬良はそう言って歓喜したが、スポーツライターが快投の原因を分析する。
「ロッテ打線は大瀬良のカットボールとスライダーという横の変化についていけませんでした。コースへの投げ分けで、うまく打たされていた印象です。今年は開きの早いフォームを改善し、防御率は驚異的な1.07。指にしっかりボールがかかり、球持ちがいいので、バッターには伸びのある球に見えています」
そんな大瀬良の礼儀正しさは球界No.1と言われ、人間性の魅力はカープ史上最強と称される。
「九州共立大学時代から品行方正な態度や作法は、評判となっていました。大瀬良の父は自衛官をしており、挨拶や礼儀、集団規範に厳しく、スパルタで育てられました。義理堅く、毎オフには背番号14の先輩、津田恒実氏のお墓を訪ねて線香をあげているといいます。そういったところに引かれているファンは多いですよ」(広島メディア関係者)
快挙翌日は地元放送局の緊急生特番に出演。ノーヒットノーラン記念グッズの販売受付が始まったが、こちらも大盛況となっている。
「大いにファンに好かれており、将来の監督候補です。2021年にはFA権を取得しましたが、複数年契約で他球団への移籍を封印。広島のために投手生命を全うすると決めています」(前出・広島メディア関係者)
6年ぶりのリーグ優勝へ、ベテランがチームを引き上げている。
(渡辺優)