広島・床田寛樹が「チケット」を使うことはできるのだろうか。
巨人との首位攻防戦第2ラウンドに先発登板した床田は初回、1番・丸佳浩を見逃し三振に斬る上々の滑り出しで、7回を被安打5、自責点1でマウンドを降りた。
ところが8回からマウンドに上がった2番手のハーンが誤算だった。無死二・三塁から岡本和真にレフトスタンドへの勝ち越し3ランを浴びると、これが決勝点となり、巨人が3連戦を1勝1敗のタイに戻している。
床田は直近6試合の登板で2勝しているものの、ここ3試合では6失点。少々疲れが見られるのも確か。終盤の優勝争いに向けて、ひとつの不安要素だろう。
実は広島ではいつでも使いたい時に使える「チケット」が、先発投手に配付されている。
これは黒田博樹球団アドバイザーの、メジャー時代の経験を参考に取り入れられたもの。トレーナーに申し出れば、次の登板までの調整が個人に任される。軽く体を動かすだけでもいいし、思い切って休むのもOK。もともと床田は夏場に弱いこともあり、このあたりで一度ローテーションを飛ばし、リフレッシュするのもいいかもしれない。
広島は絶対的守護神の栗林良吏が8月9日の阪神戦に登板してから、12連休中だ。この間、守護神が登板する展開があまりなかったというのはあるが、社会人のトヨタ時代の夏休みよりも長いため、ファンからは「そろそろ調整登板した方がいいのでは」との声が上がっている。
チケットは先発陣に配られているため、栗林の場合は首脳陣があえて休みを与えているとみられる。ハーンが崩れたこともあり、いよいよ栗林の長い夏休みが終わりを迎えることになりそうだ。
チームトップの10勝を挙げる床田や栗林にノースロー調整の権利を与えられるのは、それだけ広島の投手層が厚いから。しっかり英気を養って、終盤の優勝争いでフル回転することだろう。
(ケン高田)