オールスターを終えて、プロ野球は7月26日から後半戦に突入するが、12球団唯一の「防御率0点台」で前半戦を終えているのだが、広島の大瀬良大地だ。前半戦終了時に規定投球回に到達しての防御率0点台は、1993年のヤクルト・伊藤智仁以来、31年ぶりの快挙だ。
大瀬良は15試合に登板して4勝1敗、防御率0.82。防御率1.20で続く阪神の才木浩人は8勝3敗で、大瀬良の2倍の勝利を上げている。広島ファンとしては、勝ち星の少なさが気になるところだろう。
7月20日の阪神戦では7回98球を投げて被安打4、失点0に抑えながら、味方の援護がないまま降板。チームは1-0で勝利したものの、大瀬良に勝ち星は付かなかった。
ここまで4勝ながら、実は大瀬良が先発した試合は11勝2敗2分と、チームは大きく勝ち越している。今季はどのチームも投高打低だが、カープ打線がもう少し奮起していれば、今頃は12球団で唯一の2桁勝利ターンがあったかもしれない。
大瀬良の先発時は特に守備重視の布陣を組んでいることも影響しているのか。チームとして負けない戦い方をしている結果は、きちんと数字に出ている。フロントは勝ち星だけでなく、ゲームを作った働きをきちんと評価していることだろう。
2013年に27試合に登板して24勝0敗1セーブと無双した楽天の田中将大の、この時の防御率は1.27だった。勝ち星にこそ表れていないが、カープファンにとって大瀬良は、全盛期の田中ほどの信頼を置けるエース、と言えるのではないだろうか。
(ケン高田)