メジャーリーグ・アスレチックスの藤浪晋太郎が、ア・リーグ東地区首位のオリオールズにトレード移籍することが、日本時間7月20日に分かった。
藤浪は昨年オフにポスティングシステムで、阪神からアスレチックスに移籍。ルーキーイヤーの今年はここまで34試合に登板して5勝8敗、防御率は8.57。チームは予算をかけずに運営しており、かつてヒットした映画「マネーボール」さながらといえる。メジャー関係者が言う。
「藤浪は開幕からコントロールの悪さが目立ち、四死球で走者を出しては痛打を浴びる悪循環が続いていました。アスレチックスファンから『史上最悪の投手』とコキ下ろされたほどです。ですがだんだん慣れてきたのか、6月20日から11試合続けて無四球投球を続けていた。アスレチックスは地区最下位で低迷しているわけですが、この時期は優勝争いをするチームが他球団の目ぼしい選手をトレードで補強する時期。6月から調子を上げていた藤浪は、結果的にいいタイミングでアピール、見事トレードに乗ったといえます」
本サイトでは7月12日公開の〈アスレチックス・藤浪晋太郎の費用対効果が悪いので「8月1日までに他球団へ放出」の怪情報〉と題する記事で、藤浪のトレードの可能性について報じていた。すなわち、今後ある程度の結果を残したとしても、4億5000万円を超すチーム5位の高給取りたる藤浪は、アスレチックスにとって費用対効果が悪い。藤浪を使って将来有望な若手を獲得できれば、チームは万々歳、という事情があったのである。事実、オリオールズが差し出した藤浪との交換要員は、3Aの若手有望株である。
7月18日のレッドソックス戦の登板直前には、阪神時代に仲が良かった故・横田慎太郎さんの名前をマウンドに書いて好投。ベンチに引き上げる際には、何度も空を見上げる姿が印象的だった。心機一転、ここから再活躍して、亡き後輩の墓前に優勝を報告したいところだろう。