アサ芸読者の皆さん、こんにちは~! 松本明子でございます。最近は本業のほかに空いた時間を利用した副業で趣味と実益を兼ねている方も多いんだそうですね。かくいう私も、実は軽キャンピングカー専用のレンタカー業を営んでおりまして、ハイ(笑)。
そのきっかけになったのが登山だったんです。
今から約10年前。舞台で飛んだり跳ねたりしていたら、膝関節症になっちゃったんですね。膝に水が溜まって、もう痛いのなんのって。形成外科でパンパンに腫れ上がった膝の関節液をぶっと~い注射器で抜くんですよ~。もう、それも痛くってね。定期的に抜いてもらっていたんですが、一向によくならず。腫れているほうの膝をかばって歩いていたら、ママ友から「そうやっていつまでも運動しないのは膝にもよくないよ」って助言をいただいたんですよ。適度に動かさないといけないんですって!
そこで、まずは低山ハイキングから始めたんです。気がついたら足の痛みはどこへやら。水も溜まらなくなって、筋力もつきました。で、どんどんハマりましてですね~、ついには百名山にも挑戦。空気はおいしいし、景色は抜群! 気分転換にもなるし、山頂でいただくお弁当の味はもう格別ですよ。
そう、そのあたりまでは普通に登山を満喫していたわけです。が‥‥、富山県と長野県の境にある、北アルプスにそびえる唐松岳という山に登った時、ふと私の中で何かが芽生えてしまったんです。
唐松岳は標高2696メートル。往復で約8時間かけてチャレンジしました。登頂した時の達成感といったらもう言葉になりません。槍ヶ岳や穂高連峰が目の前に迫る超ド迫力! 感動の嵐ではあったんです。
でもね、やっぱり人気の山となると、お足代もかかりますしねぇ~(笑)。新幹線代、それから早朝4時に起きて5時からは登りたいってことで、登山口に近い前乗りの宿泊費。こうなってくると、ドケチ松本明子、ちょっと自分の信条に反しているんじゃないかって思うようになりまして。
よくよく見れば、登山道で行き交う可愛らしい山ガールたちもリュックにテントに重い荷物を背負って歩いていたんですよね。ああいう女の子たちがもっと荷物も軽くすんで、泊まりと移動と交通費をひとまとめにしたリーズナブルな方法はないかと。
「そうだ、車中泊だ! 女の子でも運転しやすい小型のキャンピングカーをレンタルすればいいんじゃないか!」
思い立ったら即行動。早速、家に帰ってから小型のキャンピングカー探しに没頭しました。そしたら、あったんですよ~。軽トラにテントのホロを張ったような車が検索でヒットしたんです。でもね、これ「バグトラ」という車なんですが、どうも青森県でしか造っていないらしくって。
しかしながら、そんなことでくじけるワタクシではございません。得意の〝アポなし〟で電話を入れて直談判です。「タレントの松本明子と申しますけれど‥‥」って言ったら、向こうの方も「えっ? 本当に松本さんですか?」って、電話口で半信半疑みたいな感じでした。
結局、神奈川にある提携自動車メーカーさんを紹介していただき、これまた速攻で「バグトラ」を購入。この車のポイントはダイハツ・ハイゼットジャンボにオリジナルの網戸付テントキットを装着しているところ。全長も185センチあるので大人2人が足を伸ばして寝られます。これは買うしかないでしょう!
しかしワタクシ、そこで終わりませんでした。そのほかにも「スズキ・エブリイ」をアメリカンスクールバス風に架装した「ブギーライダー」というカスタムカーを見つけちゃって、もう一目ぼれ(笑)。車内は4人乗りで後部座席がフルフラットになって悠々と寝られる広さ。「よしっ! 決めた!」ってこちらも購入。
すぐに事務所の社長に連絡を入れまして、「安心安全で副業をやらせていただけないでしょうか」とお願いをして4年前の3月に起業いたしました。
当時、コロナ禍だったということも副業を始める理由の一つでしたね。芸能のお仕事も緊急事態宣言でゼロになりましたし、ロケも中止。先々への不安もあったので、副業というものには興味があったんです。
といっても、ほとんど赤字で儲かってないんですけどね(笑)。だけど、ありがたいことに昨年あたりからインバウンドのお客さんが増えまして、海外からネット予約してくださるんです。海外では軽自動車って珍しいみたいで安くてコンパクト、しかも面白い! みたいな感覚でご利用いただいております。海外からの方は日本と違ってホリデー休暇がバッチリ取れるから、九州から北海道まで日本全国をご家族で旅したりされているようです。
もちろん、日本のお客さんもね、昔から応援してくださっている方もいらっしゃいますし、40~60代の「電波少年」世代の方からは「いつも観てました~!」って喜ばれます。
私、芸能のお仕事がない限り、車の掃除、点検、メンテナンス、「いってらっしゃいませ~」の貸し出し業務までやってるんですよ。
で、いつも出発の記念撮影をするんですが、大学生や20代ぐらいの方からは「店員さんとこんなサービスがあるんですね」って真顔で言われちゃって(笑)。
それでもね、いいんです。お客さんが笑顔で「楽しかった」って帰ってきてくれると、もうそれがうれしくてうれしくて。
当分、副業はやめられそうにありませんねっ(笑)。
松本明子(まつもと・あきこ)1966年、香川県生まれ。1983年に歌手デビュー。「DAISUKI ! 」(日本テレビ系)、「TVチャンピオン」(テレビ東京系)、「進め! 電波少年」(日テレ系)などバラエティー番組で活躍。2022年に著書「実家じまい終わらせました! 大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方」(祥伝社)を発売。