サウジアラビアで開催中のサッカーU-17アジアカップで、日本代表は4月13日に準々決勝でサウジアラビア代表と対戦。2-2でもつれ込んだPK戦を2-3で落とし、大会3連覇を逃した。
そんな中、ライバルの韓国で耳目を集めているのは、サウジ戦で先発出場したFW谷大地のルーツだ。
決定力の高さが武器のストライカーは、1990年代に韓国でヒット曲を連発した歌手キム・ジョンミンとハロプロ出身の歌手・谷ルミコ(当時の芸名は三佳千夏)の次男で、「国籍」の行方が注目された。
谷はキム・ドユンの韓国名を持ち、韓国生まれの韓国育ち。Kリーグ1部FCソウルの下部組織でプレーしていたが、現在は日本に渡り、サガン鳥栖のユースチームに所属している。日本と韓国の国籍を持っているため、どちらの代表にもなる資格がある中、日本代表のユニフォームを選択した。
これに反応したのは、韓国メディアだ。「スポーツ京郷」は、韓国サッカーのレベルが衰退していることを指摘。韓国ネットユーザーの間では、日本の優れた育成システム、あるいは兵役の問題を挙げて、失望を露わにするコメントが出ている。
一連の騒動について、スポーツライターはこう話す。
「グループリーグのオーストラリア代表戦でゴールを奪うなど、谷が活躍するたびに国籍問題の議論が過熱して、父親のキム・ジョンミンが韓国メディアに出演。騒ぎを収めようと、息子を気遣うコメントを残しています」
とはいえ、将来的に谷が日本国籍を取得し(満20歳に達するまでに選択)、A代表で大暴れすれば、そのたびに韓国のサッカーファンから恨み節が噴出しそうである。
(風吹啓太)