南米パラグアイをはじめ、アルゼンチンやブラジル、ボリビア、さらにはウルグアイなどの農村地域で、古くから守護精霊として、はたまた、いたずら好きな妖精として知られるのが、伝説のUMA「ポンベロ」。なんと近年、南米各地で頻繁に目撃されているのだ。
直近では今年3月上旬、TikTokユーザーが、電柱の下に潜む奇妙な黒い生き物の画像を投稿。これを受けて、地元住民が「これは間違いなく先住民族グアラニー族に伝えられるポンベロだ」と大騒ぎしている、との記事がメキシコメディア「レト・ディアリオ」に掲載された。
アルゼンチンでも2022年4月、首都ブエノスアイレスにあるロマス・デ・サモラ国立大学の公式インスタグラムで、ポンベロらしき映像が公開されている。
サモラ国立大学が公開した映像は、構内巡回を行っていた警備員により撮影されたもの。そこにはサッカーグラウンドで奇声を発しながら走り回る黒い小さな生物が、ものすごい速さで道を斜めに横切ってく姿が収められていた。その動きは犬やタヌキといったと動物のそれよりはるかに俊敏で、動画を見たユーザーは「あの走りは動物や人間のものではない、化け物だ」「ついに伝説のポンベロが現れた」とのコメントが続々。野生動物である可能性はゼロではないが、正体はまだ判明していない。
伝承によれば、ポンベロは全身が毛むくじゃらで、身長は1メートルほど。普段は夜行性で森の中に潜んでいるが、妖精と言われる一方で、時には人間を襲う恐ろしい悪鬼という説がある。
事実、2018年4月にはパラグアイ東部のイパラカイで、ポンベロに襲われたとする事件が発生。地元ニュースメディア「Extra」によれば、20代の子供連れ夫婦が夜、森の中で奇妙な音を聞いた後、手をつかまれ連れ去られそうになる、というものだった。
暗かったため襲撃者の姿は見えなかったものの、その腕は毛むくじゃらで、体長は1メートルほど。まさにポンベロの特徴と符合していたのである。
「アルゼンチンやパラグアイでは近年、小児の誘拐未遂事件が多く発生しており、発見されたのは、いずれも姿が見えなくなった場所から数キロも離れたところで、とてもではないが、3歳や4歳の幼児が歩いていけるようなものではない。パラグアイのメディアは、これらの事件にもポンベロが関係しているのではないか、と報じています」(UMA研究家)
ポンベロは葉巻や蜂蜜、ラム酒などを好むことから、それらを捧げ、身の危険が及ばぬよう祈りを捧げる人も多いとされる。
(ジョン・ドゥ)