昨シーズンから東京ヴェルディとFC町田ゼルビアがJ1に参戦し、史上初の首都3クラブが相まみえることになったが、4月13日に開幕から10試合(2クラブは9試合)を終え、今季も「首都決戦」で屈辱を味わっているのがFC東京だ。サッカーライターが言う。
「2012年から一度もJ2に降格することなくJ1を戦ってきたFC東京としては、首都の顔として格の違いを見せつけたかった。しかし昨シーズンの成績は、町田が3位、ヴェルディは6位、FC東京は7位。まさかの結果に、プライドはズタボロ状態でした」
今季こそは、と巻き返しを図りたいFC東京だったが、序盤戦から出鼻をくじかれる。第2節のホームで町田に0-1で敗れると、第8節のアウェイのヴェルディ戦は、終了間際になんとかか追いついて2-2の引き分けに。ライバルを相手に、勝ち星を挙げることができなかった。
「首都圏対決になると、とたんにFC東京の選手のヤル気がみなぎっているのですが、そのぶん、気負いすぎて空回りすることがしばしば。そればかりか、ヴェルディと町田にはJ2時代からバチバチの因縁があり、直接対決になるとサポーターが盛り上がり、選手たちは蚊帳の外に置かれている印象すらあります」(前出・サッカーライター)
開幕から一向に調子が上がらないFC東京は、4月13日終了時点で2勝3分5敗の17位(20チーム中)。J2降格圏に勝ち点1まで迫っている。
「今季はブラジル人の点取り屋FWマルセロ・ヒアン、パリ五輪代表のFW佐藤恵允、元日本代表MF橋本拳人らの大型補強に成功。アルビレックス新潟を率いていた松橋力蔵監督の招聘にも成功し、優勝を狙っています。しかしボールを保持しながらパスで揺さぶり、空いたスペースを狙う攻撃的なサッカーが浸透していません。そもそも松橋監督は昨シーズンの新潟で、ルヴァンカップでは準優勝に導きましたが、リーグ戦は16位に低迷。サポーターの間では就任当初から、人選に疑問の声が上がっていました。ますます不信感を募らせています」(前出・サッカーライター)
このままでは首都圏のライバル争いでトップに立つどころか、J2の悪夢が現実のものになるかもしれない。
(海原牧人)