格闘技ライターが続ける。
「猪木氏はかつて、大麻取締法違反による逮捕で日本相撲協会を解雇された元前頭・若麒麟を引き取ってIGFのリングに上げ、再生させています。清原氏の薬物疑惑のシロ、クロはわからないが、猪木氏なら清原氏を再生できるのではないかとささやかれました」
このように格闘技にも積極的な「参戦」の意思を示していた清原氏に対し、
「もしテレビ中継されれば清原氏には1興行当たり1000万円のギャラを支払う用意があるようです。さらには、ルールを変更してもかまわないと運営サイドは考えている。清原氏の現役引退の引き金になった膝痛が懸念されますが、それならローキック禁止、あるいは腰から下への打撃禁止、飛びつきの関節技禁止など、全てを“番長仕様”にすればいい。そうまでしても、スター性十分の大物を担ぎ出したいと思っているのです」(格闘技関係者)
清原氏をよく知る球界関係者はかつて、清原氏のこんな「声」を聞いている。
「本人は『格闘家に転向しても勝てるで』と自信たっぷりでした。総合格闘技なら、マウントポジションで馬乗りになって殴ればいい、と」
さて、こうした背景には清原氏を取り巻く厳しい現状があることは想像にかたくない。
昨年2月、ちょびヒゲを生やした浅黒い顔で、白のVネックシャツに白のスーツ、裸足に白黒の革靴という異様ないでたちで巨人の沖縄キャンプを訪問して以降、ほとんど公の場に出てきていない。スポーツ紙デスクが嘆息する。
「昨年12月、親友・佐々木主浩氏の野球殿堂入り祝賀パーティに現れたぐらいでしょう。もちろん野球の現場にも来ていないし、解説もやっていない。ほぼ無収入の状態で、もはや球界の仕事はないありさまです」
今年2月、清原氏は宮崎でキャンプを行っている5球団を視察しようと試み、各球団に打診。ところが、
「何とか評論家活動を再開しようとしたのですが、どの球団にも『来てもらってもいいですが、報道陣が押し寄せて騒動になりますよ。もしそうなっても制御、対応できないですから』と言われました。暗に『来てくれるな』ということを言いたかったわけです。結局、泣く泣く諦めることになりました。薬物疑惑ももちろんですが、入れ墨が入った人間はダメ、ということですよ」(スポーツライター)
清原氏の足と肩には立派な龍の入れ墨がある。
先のスポーツ紙デスクは言う。
「このままほぼ球界追放の身で評論家活動を再開しようともがくよりは、格闘家のほうが金になる。入れ墨は道衣やテーピングで隠せばいい。もし転向したとしても、将来の球界復帰には何の影響もありません」
「巌流島」運営サイドとテレビ局は、あわよくばゴールデンタイムに進出し、
「年末の目玉番組になるようなガチンコ『格闘バラエティ』にしたい」(格闘技関係者)
と、いきまく。番長の決断が待たれるのだ。