一昔前であれば、巨人の代名詞だったはずの「大型補強」が、今やソフトバンクの専売特許である。工藤公康新監督(51)のバックアップ態勢も完璧。今年も派手にやるようで‥‥。
メッツ・松坂大輔(34)の日本球界復帰が騒がれている。11年に右肘にメスを入れている松坂に、全盛期同様の活躍を期待するのは難しいかもしれないが、ソフトバンクは動じない。
「先発の補強を目指す、他球団の多くも松坂に興味は持っている。例えばDeNAは、3年で10億5000万円を用意したといいます。とはいえ、それが精いっぱいの金額でしょう。一方でソフトバンクは、4年20億という破格待遇を準備しています。圧倒的な資金力で早々に入団を勝ち取りそうです。一説に松坂は3人の子供に英才教育を施していて、1人当たり年間500万円かけていると言われます。争奪戦がマネーゲームになるのは願ったりでしょう。家族を米国に残して単身赴任でプレーするようです」(遊軍記者)
3年ぶりの日本一も成し遂げ、戦力は充実しているはずだが、補強は松坂だけにとどまらない。
「並行して、ブルージェイズ・川崎宗則(33)の古巣復帰にも乗り出しています。そればかりかキューバ人選手獲得が入札制度になるのを見越し、ロッテのデスパイネ(28)を強奪しようと、2億~3億円を用意しているというのです。1年の“腰掛け移籍”とも言われる金子千尋(31)や、日本球界復帰を目指す中島裕之(32)、藤川球児(34)にまで触手を伸ばそうとしていると言われる‥‥」(スポーツ紙デスク)
そもそもソフトバンクは、昨オフも尋常ではない“金満補強”を行っている。
投手では中田賢一(32)、岡島秀樹(38)、スタンリッジ(36)、ウルフ(33)、サファテ(33)、そして主砲として李大浩(32)、捕手の補強では鶴岡慎也(33)まで獲得した。近年で言えば、五十嵐亮太(35)や寺原隼人(31)、帆足和幸(35)などなど“乱獲”しまくっているのだ。それでも、まだ足りないというのか‥‥。
「世界富豪ランキングにも名を連ねる孫正義オーナー(57)は、ホークスを球界の盟主にするため、資金投入を惜しまないんです。しかも、今年はあれだけ戦力を整えたのに、あっさり優勝できず、オリックスの猛追で最後までもつれた。そのため、本拠地・ヤフオクドームは過去最高の観客動員を記録した。2年前に球場を買収して以来、球場の収入は球団に入っていますから、補強バラまき資金はより強固になっています」(スポーツライター)
ソフトバンクの場合、金にものを言わせるだけでなく、最後には日本球界の象徴・王貞治会長(74)がいるため、会長の出馬で誠意を表するという武器も持ち合わせている。これでは他球団もお手上げだ。一方で、こんな声も聞こえてくる。
「松坂獲りの布石か、レッドソックスの同僚時代にマスコミを大挙して呼び寄せる松坂にいい感情を持っていなかった岡島を放出しています。ソフトバンクは選手に同様の手のひら返しをするケースは多い。昨年には山本省吾(36)がシーズン中に肘の手術をするよう命じられ、いざ手術を受けたらキャッチボールを開始した段階でクビを宣告されたといいます。とはいえ資金力のあるソフトバンクは三軍まで設置しており、代わりの選手はいくらでも控えている。その三軍の試合で大学、社会人と対戦してはドラフトの情報収集も欠かしませんから、補強策はもう万全でしょう」(スポーツライター)
江本氏がソフトバンクの金満補強について語る。
「昨年、王さんから『俺はこんなやり方好きじゃないが、こういう方法しかないんだよ』と聞きました。結局、結果は出ているわけですし、このやり方を継承していくのでしょう」
もはやホークスの補強資金に「料金割引」などなさそうだ。