でっぷりと脂肪のついたお腹が気になる。しかし、無理な食事制限で腹ペコのまま仕事をするのは、肉体的にも精神的にもつらいもの。
ところが、そんな食事制限もなしで、食べる順番さえ気を付けていれば痩せられるという、驚きのダイエット法がある。それが「食べる順番ダイエット」だ。
実は食事には「太りやすい食べ方」と「太りにくい食べ方」がある。例えば人間は食物を摂取すると体内の血糖値が上昇。するとその血糖値を下げようと膵臓からインシュリンが分泌される。ところが、このインシュリンには脂肪を蓄える働きがあるため、過剰に分泌されればそれだけ太りやすくなってしまうのだ。
このインシュリンの過剰分泌を抑えるにはどうしたらよいか。そこで考えられたのが、血糖値を急上昇させない食事のとり方、「セカンドミール効果」を利用する方法だ。
「セカンドミール効果」とは、最初にとる食事が次にとる食事の血糖値上昇に影響を与えるというもので、アメリカ・トロント大学のジェンキンス博士が80年代に提唱した概念。つまりは先に血糖値を急上昇させないものを食べることで過剰なインシュリンの分泌を抑え、太りにくい体質を保つというダイエット法である。そのやり方は次のとおりだ。
●食物繊維の多い豆類や野菜を先に食べる
食物繊維が多い豆類や野菜は、先に食べることで炭水化物の吸収を遅らせることができ、血糖値の上昇を抑えてくれる。定食なら豆腐の味噌汁や冷や奴、納豆、サラダ、漬物やおひたしなどから先にゆっくり食べるように。その後で、肉類⇒炭水化物と移行していけば良い。
血糖値を急上昇させるなによりの原因は炭水化物などの糖の多い食品。したがって、米や麺類などはいきなりドカ食いしないことが最も大切だ。
●朝食でしっかり食物繊維を摂っておく
朝食を抜いている人も多いだろうが、食事の間隔が開いて空腹状態が続くと、次にとった食事で血糖値が上がりやすくなってしまう。朝食で野菜や豆類をしっかり摂っておくと、まだ小腸に食物繊維が残っていることが多く、昼食での血糖値上昇を抑えてくれるのだ。
上記2つの習慣を身につければ、太りやすい体質はみるみる改善されていくはず。ガマンするのではなく「食べ方を変えるだけ」というシンプルな方法は、メタボで悩み気味の人にとって最も始めやすいダイエットといえそうだ。