ミニカーやスライム、ビニール人形、超合金ロボット、ラジコンなど、オヤジ世代が少年時代に遊んだ懐かしいオモチャの数々。今回は、小さい頃オモチャが大好きで「大人になった今でもまだいろいろなオモチャで遊びたい」と、考えている少年の心を持ったオヤジにオススメの副業を紹介しよう。
それは「成人用のおもちゃ」のモニターだ。
近年、日本では多種多様な成人用のおもちゃの需要が急拡大しており、一説にはすでに約1000億円の巨大マーケットを形成しているとも言われる。
背景には、流通スタイルの激変がある。
モノがモノだけに、そうした「おもちゃ」を買う目的で店に行くことには後ろ暗いイメージがある。これまでは一部の“勇者”に限られていた。しかし、ネット通販という匿名性が確保された世界では、店員と顔を合わせることなく、好きな商品を気軽に購入することができる。
こうしたことから新製品の「おもちゃ」は次々に登場している。一方、メーカー側は市場に投入する時、事前にモニターを使ったテストを実施し、安全性を確認しておく必要がある。
モニターは、アダルトグッズの通販サイトなどで不定期に募集している。女性の求人が多く、男性は求人が少ないため、競争倍率は非常に高い。選ばれると、メーカーから「大人のおもちゃ」の見本が自宅に郵送されてくる。
具体的な仕事内容は、試作段階の「おもちゃ」を実際に使って体験。メーカー側に試用した時の感想・評価をレポートにして送るというものだ。報酬は試用商品の種類によってまちまちだが、1回あたり2000円~1万円ぐらいの収入になる。モニタリングの時間は30分程度なので、時給換算で考えれば、かなりお得な副業と言えるだろう。しかも終わったあとは、アダルトグッズを返却することなく、そのまま使い続けることもできる。
この副業をしていることはあまり知られたくないと思うが、その点は十分に配慮されているので安心してほしい。商品を発送する際、中身がアダルトグッズであることがわからないよう、送り状に「化粧品」「雑貨」などと記載してある。宅配便の配送業者の人も中身が「大人のおもちゃ」だとは夢にも思わないだろう。
ここまで読んで、オモチャ好きのオヤジは「最新のアダルトグッズで遊べるうえにお金ももらえるなんて、なかなかオイシイ仕事だなぁ」と思ったのではないか。
ただ、この仕事をするにあたっては特有のリスクがあるので注意が必要だ。まだ世の中に出回っていないアダルトグッズばかりなので、試用の際に、下半身がいろいろなトラブルに見舞われやすいのだ。
開発段階のローションをつけたとたんにかぶれてしまい、股間が赤く腫れ上がって大変な事態になったこともあったという。ローションの乾燥が思いのほか早く、アンダーヘアがパリパリに固まってしまい、泣く泣く剃毛を余儀なくされたケースもある。
もちろん、あなたの下半身に予期せぬ事態が起こっても、試用前に誓約書を交わすので、訴えることはできない。このようなリスクを「ひとつの冒険」と思えることこそ少年の証し。ぜひチャレンジしてほしい。
◆プロフィール 門倉貴史(かどくら・たかし) 71年生まれ。95年慶應大学経済学部卒業後、銀行系シンクタンク入社以来、エコノミスト畑を歩む。現在、BRICs経済研究所代表。専門は先進・新興国経済、地下経済、労働経済学、行動経済学と多岐にわたる。