ヤンキースの田中将大(26)が自己ワーストを更新した。右肘の故障から復帰後、6月21日のタイガース戦、27日のアストロズ戦でそれぞれ1試合3被弾。2試合とも5回で降板し、合計13失点(自責点11)したのだ。NYデイリーニューズ紙は、
〈この2試合の登板は悲惨だった。彼は故障しているのか、単に能力がないのか〉
とバッサリ。7月9日に1カ月ぶりの5勝目をあげると、米メディアは一転して〈宝石のような投球〉などと絶賛したが、
「大炎上した2試合のあとの登板で6回3失点のクオリティスタートを達成しても、現地メディアからは〈及第点はあげられても、エースの投球ではない〉と斬り捨てられていた。その背景には、マー君のマスコミ対応のひどさがあります。いつも面倒くさそうで、ツンツンした態度。アメリカ人の担当記者たちは『どうして目を見て話さないのか』と不満を口にしています。マー君は日本語に翻訳された現地記事を丹念にチェックし、批判的な報道に嫌悪感をあらわにもする。周囲のスタッフには『もうアメリカのメディアは(取材時間を)短くしていいでしょ』と話しています」(メジャー担当記者)
当然ながら、アメリカ人記者の名前を覚えて交流しているとか、チームメイトと積極的に交流しているという話は聞こえてこない。スポーツ紙デスクは言う。
「『楽天時代から同僚と飲みに行くこともないのに、ヤンキースに来てできるわけがない』と話すチーム関係者もいます。しかしメジャーの場合、そうした交流は大事。調子が悪くなればトレード要員にもなりますが、その際、球団は人間関係も見て放出するかどうかを判断します。マー君のように複数年契約を結んでいる選手は特に、健全な人間関係の構築を要求され、エース級ともなればなおさら。だからESPN(米スポーツ専門チャンネル)は〈しょせん、3番手クラス〉と酷評する。たとえ投球がよくても、人間性を含めるとちょっと‥‥というわけです」
そんな田中の人間性に顔をしかめるアメリカ人記者は日本の報道陣に「なぜタナカはいつもあんなに怒っているんだ。ムッとしてしゃべり、コメントもまったくおもしろくない。日本人の記者にもそうなのか」と質問したというが、
「以前から田中のことを知る元楽天担当記者にはきちんと話しますが、それ以外の在米ライターやテレビディレクターにはまともに対応しない。『何でそんなことを話さなきゃいけないんですか』と。記事もチェックし、書いた記者を捕まえて『あんなこと書いてますけど‥‥』と反論したりも」(現地ジャーナリスト)
かつてヤンキースに所属した黒田博樹(40)は、アイシングのタイマーがピーピーと鳴っているのに話し続け、心配した米報道陣が「もう話はいいから」と促すほどの信頼関係を築いていた。松井秀喜氏(41)もまた、不調時にはアメリカ人記者に、注射器を押すしぐさで「ステロイドをくれ」とジョークを言ってみたり。だが孤立する「エース」は、彼らのような愛される選手になるつもりはサラサラないようである。