フジテレビで放送された「FNS27時間テレビ2015」において、平成ノブシコブシの吉村崇が所有する「BMW i8」がボコボコにされたシーンに対し、視聴者からは「車を破壊して何がおもしろい?」といった批判の声があがっている。だが、タレントの愛車を破壊する行為は、これまでにも幾度となく放送されてきた過去があるのだ。
「27時間テレビ」の前身にあたる1992年の「FNSスーパースペシャル1億2000万人の平成教育テレビ」では、明石家さんまの愛車レンジローバーにビートたけしが勝手に乗り込み、コンクリートブロックで作った車庫にぶつけてバンパーが破損するシーンが映し出された。その翌年には同じ車にたけしが自転車ごと突撃。さらに棒状のもので車体を殴るなど、2年連続でさんまの愛車を傷つけてみせたのだ。
さらに「FNS27時間テレビ2008」では、やはりさんまが所有するゲレンデヴァーゲンことメルセデス・ベンツ・Gクラスが標的に。今度は車体をペンキまみれにし、さらにたけしがスタジオ内の足場に衝突させるなど、さんまを呆然とさせたものである。
そのたけしは車破壊ネタが好きなようで、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(日本テレビ系)では、城南電機の宮路社長と大塚美容外科の石井院長がお互いの愛車ロールス・ロイスで対決。エンブレムをヒモで結び、綱引きをして取れたほうが負けというルールで対戦し、負けた宮路社長が怒って帰ってしまったシーンは語り草となっている。
芸人の愛車では昨年、出川哲朗のポルシェ964カレラ2が「アッコにおまかせ!」(TBS系)で落書き被害にあっている。番組中で紹介したスポットの問い合わせ電話番号をポルシェの車体に書き込み、さらに子供たちにイタズラ書きをさせたり、車内にドッグフードをまき散らして犬を放つという暴挙も。このときは視聴者からもかなりの苦情が届いたようだ。
そして今年の吉村のように、愛車をめちゃくちゃにされたもう一人の芸人が、ガレッジセールの川田広樹である。自らがMCを務める「アドレな!ガレッジ」(テレビ朝日系)のドッキリ企画で、買ったばかりの愛車フォルクスワーゲン・トゥアレグを水浸しにされたもの。まるで金魚鉢のようになみなみと水が注がれ、おそらく電装系は完全にアウトだったはず。さぞや修理代も高くついたことだろう。
これらの例を見てもわかるように、車破壊のネタで標的になるのは外国車ばかりだ。テレビ局にとって国内自動車メーカーは大スポンサーなので、国産車を破壊するようシーンは放送できないのである。ということは、自分の車を壊されたくない芸人は、トヨタや日産など国産車を買っておくと安心かもしれない。
(金田麻有)