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“甲子園スター”たちの流転人生!「大越基」

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 ハンカチ王子と似た境遇だった選手がいる。東北勢初の甲子園優勝を期待されながら帝京に惜敗し、準優勝となった仙台育英の剛腕・大越基氏(44)だ。斎藤と同様、プロに誘われながら早大に進学し、ダイエー(現・ソフトバンク)に入団したスター選手だった。

 ダイエーでは03年の日本シリーズにも出場するも、そのオフに突然の戦力外通告。東亜大学を経て教員免許を取得し、現在は元プロ野球選手という肩書を持つ高校野球の監督となっている。勤務先は山口県の早はや鞆とも高校。大越氏とは縁もゆかりもないところである。大越氏が、その時の心境を告白する。

「僕は外様なのに、早鞆のOBの方々が熱心に誘ってくれた。その情熱に打たれて、監督を引き受ける決心をしたんです」

 09年の監督就任当初、早鞆は弱小校。だが、元プロ野球選手が指導すれば、瞬時に強豪校に変貌する。当時は安易にそう考えていた関係者が多かったという。元プロだから技術論では負けないが、基礎の基礎から教えなければならなかった。そして、わずか3年後、12年のセンバツに出場させてしまう。

「それでガラリと環境も変わりました。実はその翌年、福岡に家を買ったんですが、噂が噂を呼んで、僕が福岡のどこかの高校で監督に就任すると、まるで本当のように語られ、否定するのが大変でした(笑)」

「大越流出」を危惧した人たちが連日、携帯電話に連絡してきたというが、

「今は単身赴任で生徒と寮生活をしています。生半可な気持ちでは2回目の甲子園出場は無理だと思ったからです」

 高校球児らと寮で寝食を共にする生活。一昔前ならそんな名門高校の監督もいたが、このご時世では実に珍しい。

「指導者としての引き出しも少ない中でセンバツ出場したので、今では早すぎたとも思っているんです。2回目の甲子園にすんなり行けば話は違ったんでしょうが、2回目以降が本当に難しい。強豪校というのは長年の蓄積で野球のスタイルが完全に固まっている。早鞆はそんな段階でもなく、まだまだ模索している最中なんです」

 監督就任以降、大越氏は探究心の塊となった。寮生活もその一つだった。

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