ピースの綾部祐二が初の昼ドラ主演を務める「別れたら好きな人」(フジテレビ系が9月28日にスタートする)。続々とキャストが発表されているが、その顔ぶれを見ると、綾部にとって「パイセン(先輩)」ばかりの実に厳しい現場になりそうだ。
綾部が演じるのはバツイチの会社員。その親友で独身のカフェバー経営者を演じるのは、吉本興業の先輩にあたる山口智充だ。芸人の世界は厳しい縦社会で、綾部の肩身も狭そうだが‥‥。
「ぐっさん(山口)は一見コワモテ風ですが、実はみんなとワイワイやるのが好きなタイプ。後輩だからと言って綾部をイジめるようなことはないでしょう。ただひとつ気になるのは、東海テレビで『ぐっさん家』という冠番組を13年以上も続けており、同局ではかなりの大物扱いだということ。今回のドラマは東海テレビ製作ですから、むしろテレビ局のスタッフが変に気を遣う可能性があります」(テレビ誌ライター)
今回のキャストにはもう一人、吉本の先輩がいる。ダウンタウン・浜田雅功の妻で、ドラマでは綾部の姉を演じる小川菜摘だ。その小川は「綾部くんを思う存分、かわいがりたいと思います」と宣言。どっちの意味でのかわいがりなのか、大いに気になるところだろう。前出のライターがこう解説する。
「小川自身も芸歴が長く、いまでも舞台などによく出演しています。浜田の威光をかざすこともなく、後輩芸人との共演も多いですね。ただ世話好きが高じて、気に入った後輩をやたらと飲みに連れ出すことはあるようです。綾部がその相手になろうものなら、ドラマの撮影現場よりも撮影後のほうが大変かも知れません」
芸能界の上下関係で言えば、元妻役の白石美帆も立派な先輩となる。なにしろ綾部がNSC東京校の生徒だったころ、白石はすでに「スーパーサッカー」(TBS系)のサブキャスターとしてお茶の間の人気者だったのだ。さらに、白石の親友役を演じる佐藤藍子もまた、綾部と同い年ながら芸歴では8年も先輩にあたる。
このように前を見ても横を見ても先輩だらけという、居心地の悪そうなポジションに置かれた綾部。せっかくの初主演なのに、ノビノビと演技できるのかが心配だ。もっとも最近は、相方の又吉直樹が芥川賞作家になり、その又吉を「よっ、先生!」と持ち上げる太鼓持ち芸が定番になりつつある。その話術をうまく活かすことができれば、太鼓持ち俳優としての新境地が開拓できるかもしれない。
(金田麻有)