あらゆる競い合いが求められるスポーツ界。おのずと、ベテランと若手の間にもさまざまな火種がくすぶっているのである。
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現在、女子スポーツ界で最も注目されているのが、ロンドン五輪で金メダルを目指す「なでしこジャパン」。なでしこの先輩後輩間トラブルといえば、DF・熊谷紗希(21)のツイッター騒動が記憶に新しい。
世界を制したW杯から帰国後、合コンに参加した熊谷が、居合わせた男性にFW・丸山桂里奈(28)の下着姿が写っている写メを見せてしまった。合コン相手がその事実をツイートしたことで、ちょっとした騒動になったのだ。しかし、丸山は大人の対応を見せ、熊谷が謝罪することで事なきを得た。
この騒動、熊谷と丸山のポジションが違うことが幸いしたが、ポジションがかぶっている場合は、陰湿なバトルが繰り広げられることになる。
そんなイジメのターゲットとなっているのが、FW・岩渕真奈(18)だという。岩渕は10代にして代表常連となり、「女版メッシ」と称されるほど将来を嘱望されている選手である。にもかかわらず、イジメの対象とは穏やかではないが、そこにはこんな背景があるようだ。
「なでしこはみんな仲がよさそうに見えますが、それは絶対的な縦の関係があって成り立っている。そのため、挨拶ができない後輩は、イジメというより無視の対象になります。また、試合でムダなテクニックを披露して目立とうとする選手、それがミスにつながるような選手も無視されます。テクニックがあるばかりに、つい“軽いプレー”をしてしまう岩渕は、ベテランから反感を買っているんです」(スポーツ誌サッカー担当記者)
そんな岩渕を最も敵対視しているのが、同じFWの大野忍(28)だという。大野といえば得点力があり、MFまでこなすなでしこの中心選手だ。
「大野は、みずからを澤穂希(33)の後継者だと自負しています。次世代のスターでポジションがかぶる岩渕は、今のうちに潰しておきたいというのが本音でしょう。露骨なイジメではなく、大野がやっているのは完全無視。これでは表面化しにくいので、佐々木則夫監督も大野のお局状態に気づいていません」(前出・サッカー担当記者)
悲願の金メダルを獲得するには、この冷えきった関係を修復する必要がありそうだ。
後輩を遠ざけるSキャラ
同じような現象はゴルフ界でも起こっている。ベテランのゴルファーからこぞって「あのコとは(ラウンドを)回りたくない」と言われているのが、「ギャルファー」こと金田久美子(22)である。
まず、敬遠されているのが香水の匂い。あるベテラン選手は「あの匂いが気になってティーショットに集中できない」と嘆く。さらに、「ラウンド中もムダな私語が多いので、こっちの集中力が失われていく」と不満は収まらない様子だ。
若さや才能へのジェラシーだけでなく、ベテランがこのようなお局発言をするのは、もっと重大な理由があるからだという。
「金田のギャラリーになればわかるんですが、応援に来る仲間がとにかくうるさい。大声でしゃべる、写メを撮りまくる、香水の匂いがきつい等々。そんな仲間たちを注意せず、金田は一緒になってはしゃいでいますからね。彼女のことを嫌っているのは、ベテランだけじゃないと思いますよ」(スポーツ紙デスク)
そんな女子ゴルフ界で、若くしてお局化したのが、現在、アメリカを中心にプレーしている上田桃子(25)だ。気性の荒さは以前から有名だが、成績が出ないと後輩に当たり散らすこともあるという。
「Mの女性が多いゴルフ界で、彼女は珍しくSのキャラクター。機嫌が悪くなると言葉や態度が汚くなり、後輩は近づけなくなるそうです。誰からも慕われる宮里藍(26)とは正反対のキャラクターを確立しています」(前出・スポーツ紙デスク) ところで、古くからベテランがお局と化す代表的な競技といえば、バレーボールもあげられる。現在、エースとして活躍する木村沙織(25)も、かつては「無視」「仲間外れ」に苦しんだという。
「そんな出る杭を打つ風習に苦しめられ、潰れていったバレーボール選手も少なくないです。現在、全日本は好調を維持し、五輪のメダルを狙える位置にいますよね。先輩からの圧力を克服、団結力を大切にする木村が、チームの中心になったことが、その要因となっていると思います」(バレー協会関係者)
お局と若手が正しく共存することが、日本スポーツ界の未来を明るくするのだろう。