震災以降、南相馬を訪れた政治家は多い。被災地のために尽くしてくれた人物、予想外の反応をした者─。
意外に思う人もいるかもしれないんだけど、復興相やってた松本龍さんって、被災地ではいい動きをしてくれてたんですよ。ちゃんとやるって言って、実際やっていたからね。入院患者の搬送にしても、ガソリン用のタンクローリー車の手配にしても彼が国を動かしてくれた部分は大きい。まともな大臣だったと思うよ。何でああいう発言(岩手県知事に「知恵を出さないところは助けない」等)しちゃったんだかわからないけど、あの時は意識的にやったんじゃないかと思った。本人が辞めたくなったっていうより、菅総理を降ろす動きが民主党の中でもあったから。その口実を作っているのかなぁって。
例の発言の時だって、その前に自分に電話くれたんだ。「今から岩手県、宮城県に行ってくるんだよ」って。こっちも「頑張ってきてね」って返していたぐらいだから。変な方向に頑張っちゃったけどさ‥‥。
経産相やってた鉢呂吉雄さんもそう。「人っ子ひとりいない死の町」って言ったとかって、でも本当のことだから。大熊の町長も双葉の町長もみんな言っている。何でそれが東京で言うとおかしなことになるのか、って。現地では当たり前のことなんだ。死の町にしちゃったことが問題であって、これをどう復興していくんだってことに論点を置いた報道をしなきゃいけないんだよ。鉢呂さんは真実を表現しただけなんじゃないの。政治家がそんな簡単なことで追い込まれるのはおかしいよ。
だったら、菅さんはどうなのかって。総理から降りたら、四国のお遍路さんだろ。優雅な時間過ごしてるなって思われるよ。お遍路なんかより現場を回るべきじゃないんですか。この被災地をもう一度しっかり歩かなきゃ。今度はヘリで上空から視察じゃなくって、自分の足使ってさ。それが代議士ってもんでしょう。
現場を知らない。被災地の空気を知ろうとしない。その最たるものが、東京電力だ。
国の担当者が震災後初めて南相馬に来たのが、3月17日。それでも十分遅いのに、東電は22日だからね。それまで電話はおろか、ファックス1通なかった。東電にはずうっと同じこと言ってるよ。「市民はどうしたらいいのかわからないでいる。今必要なのは市民の心を立て直すことだ。市民に寄り添うことに精いっぱい努力してもらって、市民をもう一度3月11日の前の状態に戻す、それをやるのがあんたがたの務めだ」って。でも、東電が被災者にしてきたことは逆のことばかりだよ。金さえ配れば補償したつもりになってる。しかも、156ページもある補償書を書けば金を払うっていう暴力的な行為でくるんだから。それは加害者が、さらに加害者ぶった行為なんだ。勘違いするなって。
金ではない賠償。南相馬市は原発の周辺自治体に配布される「原発施設等周辺地域交付金」を辞退している。金額にして年間5500万円。 そもそも東電福島第一原発って、今回のような爆発まで至らなくても、事故はたびたびあったんだ。配管ミスや、蒸気漏れ、ネジが緩んでたとか。自分が市会議員やってる時、そのつど、パソコンの中に記事を取り込んでいましたよ。記事はだいたい民報(福島民報)とか民友(福島民友)だったけど、それも結局、原発は人体に影響がありませんって、東電とその周辺の識者が言って終わり。何となく、また大丈夫なんだろうっていう空気が作られていったんだよ。呪文のようにさ。
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