11月22日投開票の大阪府知事・大阪市長のダブル選挙を巡り、各政党の候補者選びはいよいよ本格化。不調に終わった話も含め、今回も複数の著名人候補の名前が取り沙汰されている。
タレントの中でいち早く名前が挙がったのが、大阪を中心に活躍している芸人のたむらけんじと、フリーアナウンサーの辛坊治郎だ。「たむらは、大阪都構想をめぐる5月の住民投票の前に勉強会を開き、都構想賛成を表明。その勉強会に講師として招かれたのが辛坊。そんな経緯もあって、大阪維新の会からの出馬が噂されています」(在阪ジャーナリスト)
こうなると、維新の会と対決の構図となっている自民党も負けてはいられない。地元出身の俳優・辰巳琢郎に接触し出馬を打診した。
「市長・府知事の両にらみでの打診だったようですが、自民党大阪府連サイドとしては府知事選に出てもらいたかったようです。府知事選では松井一郎現知事が再出馬の意向を固めている。府連としては天敵である松井氏だけはどうしても潰したいですからね」(前出・在阪ジャーナリスト)
ところが先月末、当の辰巳がFacebook上で出馬拒否。連続ドラマの撮影中であるため「物理的にも道義的にも、有り得ないことです」と、出馬を全面否定したのは周知の通りだ。
自民党大阪府連は辰巳以外にも、元Jリーグチェアマンの川淵三郎氏、元女子バレー日本代表監督の柳本昌一氏などに声をかけたが、ことごとく断られたといわれる。だがもう一人、本命ともいえるタレント候補がいるという。
「元巨人軍投手の桑田真澄です。野球好きの多い大阪にあって知名度は申し分なし。引退後は東大野球部の特別コーチも務めるなど、理論派指導者のイメージも獲得している。当選も十分考えられるだけに、党本部もかなり本気でアプローチしたといいます」(自民党中堅議員)
ただし現時点では、桑田氏から色よい返事はもらえていないようだ。
「桑田はプロの監督をやりたい、というよりも『やれるはず』だと思っていますよ。実際、監督交代がありそうな球団には積極的に売り込んでいますからね。それが読売サイドの不興を買って巨人監督の目はないようですが、成績不振の中畑批判が渦巻く横浜DeNAの次期監督候補とは言われています」(スポーツ紙遊軍記者)
前出の自民党中堅議員が解説する。
「市長選は我が党の柳本顕・大阪市議が出馬を固めているが、府知事選のほうはいまだ独自候補を模索している最中です。実現性はまだ低いかもしれませんが、今後も桑田擁立の可能性は探っていきますよ」
大阪か横浜か、果たして今秋、“桑田監督”より先に“桑田知事”の誕生があるのだろうか。
(金子良太)